汚物・嘔吐物処理トレーニング講座
こちらのサービスでは、汚物・嘔吐物処理を行う際の注意点などを中心に、実際に演習を行うことで、技術を向上させるトレーニングプログラムです。
施設等での集団感染の原因の多くは、嘔吐物処理等の初期対応の誤りに起因します。
特に準備の段階で間違っていることが多いのが汚物・嘔吐物処理です。
1)嘔吐物処理について
嘔吐症状がある時は、どのような状況でしょうか?お酒に酔った時を除けば、主に食中毒などの感染症状がある場合ではないでしょうか?
特に、ノロウイルスに代表される感染性胃腸炎の症状は、水様便と噴水のような嘔吐です。この際に、初期対応として排泄物や嘔吐物の処理を誤ることで、集団感染の引き金となります。
実際にノロウイルスなどの嘔吐物が散乱した現場を目撃し、処理をした経験が無い方も多いでしょう。ノロウイルスの激しい噴水のような嘔吐や散乱した現場を初めて見た方はパニックになり、落ち着いて対処できないこともしばしばあります。そのことにより、嘔吐された箇所が感染源となり、ノロウイルスなどは乾燥飛沫となり、埃と一緒に空間を漂い、空気感染により集団感染へとつながります。
嘔吐物処理は、予測不能な場所で起こりえます
嘔吐物処理の問題は、予測不能で様々な場所で起こりえる可能性があります。
「今日の〇〇時に嘔吐する予定」というのは、ありえないからです。
想定しておくべき 主な状況 |
(1)食事中 (2)就寝中 (3)調理中 (4)車内 など |
想定される 主な汚染箇所 |
(1)フロア・廊下 (2)畳 (3)カーペット (4)トイレ (5)洗面台 (6)テーブル (7)車イス など |
想定される 主な対応 |
(1)嘔吐した方 (2)嘔吐を浴びてしまった方 (3)近場にいた方(社会福祉施設など) (4)汚染された服 (5)調理員が嘔吐した場合 (6)処理をした職員のその後の業務 など |
2)大便・下痢時の対応について
(※トレーニングではなく、リスクポイントの解説となります)
下痢症状がある時も嘔吐症状と同様に、主に食中毒などの感染症状がある場合ではないでしょうか?
特に、ノロウイルスに代表される感染性胃腸炎の症状は、水様便と噴水のような嘔吐で、便器や便器周囲、水洗ハンドル・コック、ドアノブなどの手指が触れる箇所が汚染され、感染源となり集団感染へとつながります。
実際に給食工場の職員がノロウイルスの下痢症状を発症し、ユニフォームが汚染されたことで調理場に持ち込まれ、ユニフォームから食品に混入して大規模な集団感染事故を起こした事例は過去に数件あります。
トレイで大便を流す際には、わずかながら飛沫(しぶき)が発生しており、そのわずかな飛沫(しぶき)がズボンなどに付着してしまいます。
最近の日本のトレイには、ほぼウォシュレットが装備されておりますが、ウォシュレットはあくまで便の固形物を流す目的であり、肛門まで含めた消毒をしているわけではありません。この際に、濡れたお尻をトイレットペーパーで拭く際に、ウイルスや細菌がトイレットペーパーを貫通して手指に付着してしまうのです。
つまり、お尻を拭く行為と便を流す行為の両方で汚染される可能性があり、汚染された手指をしっかりと洗浄・消毒せずに衣類や手すり、ドアノブなど様々なものに触れてしまうと感染源はどんどん広がります。
これが、調理者にノロウイルス保菌者がいる場合に、ノロウイルス食中毒へとつながる要因の一つです。
大便・下痢時の対応は、トレーニングではなくリスクポイントの理解と、手洗い・消毒、嘔吐物処理の組み合わせとなります。「お尻を拭くことは、便に触っている」という認識が重要です。
日常の行為だからこそ、基本を理解して徹底するべきです
嘔吐物処理、大便など、極々自然な日常のことです。ところが日常的過ぎることに様々なリスクを見過ごしてしまうことや、理解されていない事が多々あります。本トレーニングプログラムは、感染症対策研修・セミナーなどにおいてセットで講義を行いますが、単独での要望も承ります。
コンサルタントより
- 大規模な集団感染や集団食中毒の原因の一つに、汚物・嘔吐物処理において消毒不足があります。
- 統計上、日本のノロウイルス感染者は、牡蠣など二枚貝を食べて感染した方よりも、食べて感染した方の近くにいた方、つまり二次感染者のほうが多いのです。
- 特に消毒処理に必要な準備物が間違っている場合や、想定不足が非常に多い分野です。
- 滅多にある事ではないのですが、火事が起きた際に消火器を用意していない、避難経路が無いのと同じような状況です。
- 即効性のある研修として非常に人気の講座です。