【はしか(麻疹)】患者急増 目立つ海外感染 厚労省が注意喚起
麻疹(はしか)の患者が1月から4月半ばの3カ月半で、昨年1年間の患者数に迫るペースで増えている。アジアなど海外で感染して国内に持ち込み広がる例が目立つ。厚生労働省や国立感染症研究所が大型連休に入り注意を呼びかけている。
同研究所によると、今年1月から4月16日までの患者数は139人で、昨年1年間(159人)の患者数に近づきつつある。年齢は20代と30代がそれぞれ全体の3割ずつを占める。山形県が50人で最も多く、三重県20人、東京都16人、広島県11人と続く。21人が海外での感染とみられ、インドネシアなど東南アジアが多い。
麻疹は感染力が非常に強いとされる。感染すると約10日後に発熱やせき、鼻水などの症状が起こり、その後、高熱と発疹が出る。昨年は関西国際空港で集団感染があったが、今年に入っても山形県で3月、インドネシアから帰国した男性が麻疹を発症し、感染が広がった。
厚労省は「初期の症状は風邪に似ており、診断が遅れると感染を広げやすい」と話す。麻疹が疑われる症状がある場合には、医療機関に電話をし、受診してほしいとしている。また、感染予防にはワクチンが有効で、特に海外に渡航する際はワクチン接種歴を確認し、必要に応じてワクチン接種を勧めている。