2018/11/10【クドア・セプテンプンクタータ】ヒラメを食べて食中毒!?見えない寄生虫が引き起こす「クドア症」とは
どんな料理にしても絶品で、いくらでも食べたくなる高級魚のヒラメ。しかしながら、近年ではヒラメを食べて下痢や嘔吐を起こす食中毒被害が報告されているのをご存知だろうか。今回はヒラメに潜む寄生虫が引き起こす「クドア症」について解説していこう。
クドア症とは
目に見えない寄生虫が原因
クドア症とは、「クドア・セプテンプンクタータ」という極小の寄生虫が原因の食中毒だ。
この寄生虫が厄介なのは、全長約 0.01mmという極小であるため肉眼で見えないという点だろう。また感染した魚にも変わった様子が出ないため、食べる前に感染しているかどうかの判断ができないのである。
養殖のヒラメに多い
クドア症の多くは養殖のヒラメを食べた際に報告されている。感染の原因は明確にわかっていないが、養殖場の衛生環境が関わっているのではないかといわれている。
しかしながら天然のヒラメでも報告例があるので、釣ったヒラメを食べる際にも注意が必要だ。
クドア症の症状
クドアを体内に摂取してしまうと、おおよそ数時間〜1日の間に下痢、嘔吐といった症状が生じる。しかしその多くが軽症であり、24時間以内に回復する場合がほとんどだ。寄生虫が人体に感染することもなく、後遺障害などの心配もない。
クドア症の対策
クドアは加熱および冷凍処理を行うことで死滅する。75℃以上の温度や熱湯で5分以上加熱すれば死滅するため、生で食べなければ発症する心配はほとんどない。冷凍の場合でも-15℃で4時間以上保冷することで死滅するため、心配な場合は一度冷凍してから食べるようにしよう。
ヒラメ以外の魚にも…
クドアはヒラメに多い寄生虫であるが、過去にはマグロやカンパチといった魚でも報告の事例がある。ヒラメ以外の魚での発症は稀であるが、可能性がゼロでないことだけは覚えておこう。
クドアについて知っておこう
クドアは感染している魚を判別できないため、いつ発症するかわからない。どうしても心配な人は、火を通してから食べるようにすれば安心だ。釣った魚を食べて発症する事例は極めて稀であるが、釣り人としてこのような寄生虫がいることを知っておいて損はないだろう。