【コレラ】コレラ感染の疑い50万人 人道危機が拡大 /イエメン
イエメンでは2014年以降、イスラム教スンニ派の盟主・サウジが支援するハディ大統領側と、イランが後ろ盾となっているシーア派武装組織「フーシ」の対立が激化。サウジ側の連合軍が空爆を開始した15年3月ごろから本格的な内戦に発展した。
サウジのメディアなどによると、首都サヌアでは今月25日に無人の建物が標的になった空爆があり、隣接の住宅が崩壊して、子供6人を含む少なくとも14人の市民が死亡した。翌26日にサウジ側の報道官が誤爆を認め、「技術的なミスが原因。フーシの司令部を狙ったものだった」と述べる一方、「フーシ側も市民を人間の盾にしている」と批判した。
イエメンでは15年以降、民間人を含む1万人以上が死亡、総人口の1割超の300万人が難民・避難民となった。昨年は国連の仲介で和平協議も実施されたが不調に終わった。
さらに今年に入りコレラの感染も爆発的に拡大している。世界保健機関(WHO)によると、8月中旬の時点で感染が疑われる人の数は50万人を超え、4月以降だけで死者は2000人に上る。
だが戦闘激化で多くの医療施設が機能せず、医薬物資も不足。援助団体はコレラ流行地域への立ち入りを試みているが、紛争当事者が妨害するケースも多いという。残りわずかな病院に感染者が殺到しており、援助団体などは国際社会の早急な支援を訴えている。
https://mainichi.jp/articles/20170831/k00/00e/030/283000c