2018/02/03【デングウイルス】調査特別委員会、死亡した児童のうち3人がワクチン接種が原因の可能性があると発表 /フィリピン
【デングウイルス】調査特別委員会、死亡した児童のうち3人がワクチン接種が原因の可能性があると発表 /フィリピン
フィリピン総合病院のデング熱ワクチン調査特別委員会は2日、ワクチン接種後に死亡した9〜11歳の児童14人のうち、3人がワクチン接種が原因で死亡した可能性があると発表した。ドミンゴ厚生次官は同ワクチンの評価に3〜5年が必要だと見解を示した。
特別委員会のアギラー主任医師は記者会見で、14人のうち3人が重症型のデングショック症候群だったことを明らかにし、うち2人はワクチンの3回接種を終えていたが、ワクチンの働きが不十分なワクチン不全により死亡した疑いがあると発表した。
アギラー医師は「ワクチンの効果について述べることはできないが、3人ともデング熱に感染しそれにより死亡した」と慎重に発言。医師によると2人は3回目の接種を終えた1カ月に発病し、その5日後に死亡。もう1人は1回目の接種から4日後に発病し、その5日後に死亡したという。抗体を保有していたのは3人のうち1人だけで、抗体を持っていたのにかかわらず死亡していた。
報告書では他の6人が生来の心臓病など接種前に罹患(りかん)していた病気との併存疾患で接種から30日以内に死亡、3人が接種と関連のない死亡、2人が情報不足のため未分類となった。
ドミンゴ次官は「ワクチンは集団予防接種の準備ができていない」と述べ、効果を見極めるためさらに3〜5年が必要だとの見解を示した。厚生省は昨年12月、ワクチン製造元の仏サノフィ社が副作用について警告したことを受けて予防接種を中断している。
メルカド元厚生次官はテレビ局のインタビューで「ワクチン不全により亡くなった3人、併存疾患で亡くなった6人、(十分な記録がなく)未分類となった2人は接種を受けるべきではなかった。接種プログラムの失敗だ」とサノフィと政府双方の責任を指摘した。
サノフィ社はこれまでデング熱に罹患したことない人の接種について「感染した場合の入院リスクを高める」が、ワクチンで深刻な症状をもたらすことはないと述べている。
ワクチン接種事業は16年4月から公立学校や首都圏4市の診療所などで開始し、83万人以上が接種を受けた。
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