【プール熱】夏に流行する「咽頭結膜炎」 2月から患者が急増中
毎年夏に流行シーズンを迎える「咽頭結膜炎」に感染する患者が、2月以降、3週間連続で急増している。国立感染症研究所によると、過去5年間の同時期に比べてもかなり多いペースだという。
5歳以下の子供が感染しやすい咽頭結膜炎は、発熱で発症し、頭痛や食欲不振、だるさと共に、喉の痛みや目の結膜の充血などの症状のほか、重症化すると胃腸炎などの消化器疾患、出血性膀胱炎から、肝炎、膵炎などさまざまな症状を引き起こす。
通常、5歳以下の子供が感染するケースが多く、6月ごろから8月にかけて流行のピークを迎える。しかし、近年では冬場に病院や保育園、学校などで感染拡大するケースも見られていて、子供だけでなく、抵抗力の弱い高齢者では呼吸障害が進んで、二次感染を併発することも報告されている。
国立感染症研究所によると、3月5日までの1週間に全国約3000カ所の小児科医療機関を受診した咽頭結膜炎の患者は、1医療機関あたり0.4人。これは、過去5年間の同時期と比較してもかなり多く、患者の数は3週連続で増加しているという。
1医療機関あたりの患者数を都道府県別にみると、岩手県が最も多く1.0人、次いで石川県(0.97人)、鹿児島県(0.96人)と全国規模で患者数は増加している。
咽頭性結膜炎を引き起こすアデノウイルスにたいする治療法はなく、抗ウイルス薬の開発が待たれている。