【マラリア】マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は人類にとって最も危険な生物は…
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は人類にとって最も危険な生物は「蚊」だと訴える。世界保健機関(WHO)などのデータを分析し、年間70万人以上が蚊がもたらす病で命を奪われているとブログに載せた。蚊を媒介して感染するマラリアの被害が大きい
▼かつて八重山は、体を焼き尽くすような高熱で内臓などを侵す「ヤキー(マラリア)」の島と呼ばれていた。沖縄戦時、有病地への強制疎開で爆発的に流行、罹患(りかん)者は1万6884人となり、死者は3647人に上った
▼八重山でのマラリア惨禍の実態は『マラリア撲滅への挑戦者たち』(南山舎)に詳しい。撲滅に生涯をかけた防疫監吏の黒島直規さんを軸に、マラリアとの闘いに挑んだ人々を描いている
▼著者の南風原英育さんは石垣市出身で、戦時中にマラリアに罹患した。終戦直後から八重山の地元紙や沖縄タイムス社の記者として、黒島さんたちを追い続けた
▼マラリア取材をまとめたいと、定年後に取り組み、2012年、87歳で完成させた。出版時に取材し、衰えないジャーナリスト魂に頭が下がった
▼マラリア制圧に取り組む個人・団体を顕彰する「第4回ゼロマラリア賞」が、92歳で他界した南風原さんと南山舎に贈られた。八重山の経験が世界的なマラリア制圧につながることが南風原さんの願いである。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/95457