2017/07/06【侵襲性肺炎球菌感染症】侵襲性肺炎球菌感染症、過去最多のペース ワクチン接種で予防促す自治体も
【侵襲性肺炎球菌感染症】侵襲性肺炎球菌感染症、過去最多のペース ワクチン接種で予防促す自治体も
小児や高齢者を中心に発症する侵襲性肺炎球菌感染症の患者報告数が過去最多のペースで増えていることが、国立感染症研究所がまとめた患者報告で分かった。予防のためにワクチン接種を促す自治体も出てきた。
侵襲性肺炎球菌感染症は、細菌の肺炎球菌によって引き起こされる。小児と成人では臨床的な特徴が異なっており、小児では肺炎を伴わず、初期症状は発熱のみのケースが少なくない。髄膜炎を発症した場合、死亡する恐れもある。
成人の初期症状では、発熱、咳嗽、喀痰、息切れを伴う肺炎が多い。感染症法の5類感染症(全数把握疾患)に規定されており、診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出ることが義務付けられている。
同研究所によると、今年の患者報告(6月25日時点)は1921人で、昨年の同時期よりも368人多い。感染症発生動向調査の対象となった2013年以降で最も多かった昨年(2693人)を上回るペースで増えている。
都道府県別では、東京が248人で最も多く、以下は大阪(151人)、神奈川(142人)、愛知(126人)、千葉(114人)、兵庫(97人)、福岡(93人)、埼玉(78人)、静岡(63人)、北海道(60人)、新潟(53人)、京都と沖縄(共に52人)などの順だった。
治療には抗菌薬が有効とされているが、近年は多剤耐性菌の報告も少なくない。現在、小児と高齢者が定期接種の対象となっており、患者が増加傾向の大阪府などは、「予防にはワクチン接種が有効」と呼び掛けている。
https://www.cbnews.jp/news/entry/20170706142841