乳児が感染すると死亡する恐れもある百日ぜきの患者が増え続けている。国立感染症研究所が13日、4日までの1週間に新たに231人の患者が報告され、今年の累積報告数は1万110人に達したと発表した。成人がかかった場合は風邪などと見分けることが難しく、感染を広げる可能性もあるため、早めの受診が大切だ。
感染研によると、都道府県別の累積報告数は、東京885人▽福岡652人▽千葉628人▽鹿児島594人▽大阪555人――などが多かった。
百日ぜきは百日ぜき菌によって起きる急性の気道感染症で、せきやくしゃみで感染する。咳発作に加え、息を吸う時に笛のような「ヒュー」という音がなるのが特徴。発作時に嘔吐(おうと)を伴うこともある。特に生後6カ月未満の乳児が発症すると呼吸困難になるなど重症化する危険性が高い。ワクチンは定期接種の対象となっており、予防のためにはワクチン接種が重要だ。
百日ぜきは2017年までは約3000の小児科医療機関からの定点報告対象だったが、18年からは成人を含む発生動向を正確に把握するため、すべての医師が報告する全数報告対象となった。昨年は1万1190人(暫定値)が報告され、うち23%が20歳以上の患者だった。