2019/07/20【豚コレラウイルス】豚コレラ、ワクチン散布 木曽と木祖、地中に400個 /長野県
県は十九日、野生イノシシへの豚(とん)コレラ感染が確認された木曽町と、隣接する木祖村で、経口ワクチン計四百個を散布した。県内では初めて。二十二日には感染イノシシが見つかった根羽村と隣の平谷村でも、合わせて同数を散布する。
経口ワクチンは、アルミニウム素材で包装した液状ワクチンを、トウモロコシ粉などで覆って縦横四センチ、厚さ一・五センチのクッキー状にした。餌と一緒に地中に埋め野生イノシシに食べさせる。イノシシの体内に抗体ができ、感染や拡散を防ぐことができる。
木曽町、木祖村での散布では、感染イノシシの発見場所から十キロ圏内の「調査対象区域」のうち計二十カ所を選定。各箇所に深さ約十センチの穴を十個作り、餌の米ぬか、トウモロコシと一緒に経口ワクチンを二個ずつ入れた。
作業は、木曽町東部の山林でスタート。防護服に身を包んだ県職員十二人が、名古屋市の専門事業者の技術者二人から講習を受け、経口ワクチンを次々に埋めた。その後、県職員たちは四班に分かれ、町村職員や地元猟友会の案内で散布場所に向かった。
県はおおむね五日後に、ワクチンがイノシシに食べられたかどうか確認する。散布地域などで捕獲されたイノシシがワクチンを食べたどうかも調査する。
県は八月下旬に岐阜、愛知県境付近で、より広い範囲での散布を計画しており、今回はそれに先立つ緊急対策。県松本家畜保健衛生所の神田章所長は「養豚農家がある他地区への広がりを防ぎたい。ワクチンの効果に期待している」と話していた。
県内では、十三日に木曽町で初の野生イノシシの豚コレラ感染が確認されたほか、十五日には根羽村で捕獲されたイノシシの感染が確認されている。
https://www.chunichi.co.jp/…/201907…/CK2019072002000020.html