2017/07/21【食中毒】「キャラ弁の食中毒」にご注意!

【食中毒】「キャラ弁の食中毒」にご注意!

前回、食中毒予防の3原則、菌を「つけない」「ふやさない」「殺菌する」をご紹介しましたが、今回はキッチンでの具体的な方法についてお伝えしたいと思います。

幼いお子さんを育てているお母さんの中には、お弁当作りの際にご飯やおかずで楽しい絵を描く「キャラ弁作り」が得意な方もいることでしょう。最近は、様々な「小道具」も豊富で、手軽にキャラ弁作りができるようになったと思います。

でも、私はキャラ弁を作ったことがありません。

理由は三つあります。私がお弁当作りにかけられる時間は20分ほど。十分に加熱したおかず類やごはんを冷ましてから、具材をお弁当箱に詰めて蓋をするので、時間的に余裕がないため。二つ目は、衛生的な配慮がとても難しいため。そして三つ目は、我が家の「食育方針」に合わないためです。三つめの理由について説明すると、とても長くなってしまうので、またの機会にしたいと思います。

キャラ弁作りを紹介しているサイトを見ると、ハムやかまぼこ、スライスチーズなど冷蔵が原則の食材をご飯の上に飾りつけたり、カラフルな色をつけるために混ぜご飯にしたりと、「食中毒予防の3原則」に照らし合わせても、食品衛生上の問題点があります。キャラ弁に限らず、お弁当を作る際の注意点をご紹介しましょう。
予防3原則を意識して、安全・安心なお弁当を

菌をつけない

加熱後の食品やそのまま口に入る食品を素手で加工しない。
(使い捨てのビニール手袋やピンセット、箸を使う)
生のかまぼこやハムなど、要冷蔵品はそのまま使わない。
加熱後にカットするおかずに、仕込みで使用したまな板をそのまま使わない。
(100円ショップなどで販売しているミニまな板を、2~3枚常備し、使い分けるとよい)
お弁当箱などの容器は、熱湯かアルコールで消毒し、しっかりと乾かしてから使う。

菌をふやさない

混ぜご飯は菌が増殖しやすいので極力避ける。
(混ぜご飯にしたいときには、梅ぼしや大葉など抗菌作用のある食品を使う)
全体が水っぽくなり、菌が繁殖しやすくなるため、生野菜と塩気のあるおかずを一緒に詰めない。(彩り用のレタスは使わず、加熱したほうれん草やピーマン、緑色のバランの葉などを活用)

水気のあるおひたしなどは、しっかり絞ったあと、かつおの粉や、すりゴマなどで和えて水分を吸収させる。

煮物は、煮汁を切るか、煮汁に片栗粉で固めのとろみをつけて「あんかけ」にする。
具材は完全に冷ましてから詰める。(電子レンジで加熱した冷凍食品は、お弁当に詰めるまでは冷蔵庫で保管するなど)

市販の「抗菌シート」を活用する。
お弁当箱の上に保冷剤を乗せて持ち運ぶ。
(冷気は下へ流れるので、保冷剤はお弁当の下に敷くのではなく上に置く。持ち運ぶには保温バッグが理想)

殺菌する

作り置きのおかずなどは、必ず中心部までしっかりと再加熱する。
生野菜ではなく、加熱調理した野菜のみを使用する。
可能であれば、食べる前に電子レンジで加熱する。

上記のことを踏まえると、「キャラ弁作り」を安全に行うことがいかに難しいか、お分かりになると思います。ゴム手袋を装着したり、ピンセットを使って盛り付けをしたりしたら、不器用な私はお弁当作りに何時間もかかってしまいます。 

「菌をつけない」ためには食材の下処理と加熱、盛り付けの工程をしっかりと分けることが大切です。洗浄し、乾燥させた清潔な調理器具をどのような順番で使うか、献立全体を頭に思い浮かべ、イメージしてから料理を始めましょう。

お弁当作りにおいては「菌をふやさない」の項目が一番多くなりましたが、普段の食事では「菌がふえないうちに食べる」ことが重要です。例えば、お 寿司すし 屋さんでは、板前さんが握ってくれたものを、その場ですぐ食べるのなら素手でも生でも大丈夫なのです。常温保存するお弁当の中では、適度な温度と水分、栄養があり、菌にとっては最高の環境ですから、口に入るまでの間にどんどん増殖してしまいます。

これからの季節、夏祭りで屋台などを出店したり、子ども会の行事で食事を提供したりする機会もあるかと思います。下処理と調理、盛り付けの際に「つけない」「ふやさない」「殺菌する」を意識しながら、蒸し暑い季節でも 美味おい しく安全な料理を提供してください。

「キャラ弁の食中毒」にご注意!

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