【食中毒】業者の営業停止取り消し…和歌山の集団食中毒で地裁 /和歌山県
和歌山県御坊市の小中学校などで今年1月、給食を介して発生した集団食中毒を巡り、原因とは無関係なのに営業停止命令を受けたとして、給食センターの調理を委託されていた「シダックス大新東ヒューマンサービス」(東京)が和歌山県に取り消しを求めた訴訟の判決で、和歌山地裁は27日、請求を認めた。県は控訴する方針。
中山誠一裁判長は、県が提示した営業停止命令書には具体的な事実関係や処分理由が記載されておらず、手続き自体が違法だったと判断した。
同社は市が給食の食材として調達した刻みのりが食中毒の原因で、センターに過失はなかったと主張。県は食中毒の拡大を防ぐために必要な処分だったと反論していた。
御坊市などでは今年1月、園児や児童ら800人以上が食中毒症状を訴え、御坊保健所は給食が原因と判断。センターを14日間の営業停止とした。2月に東京都立川市の小学校で発生した集団食中毒でも御坊市の給食と同じ刻みのりが使われ、製造元だった大阪市北区の業者が大阪市から処分を受けた。