【食中毒対策】食中毒対策、「見た目やにおいで判断」はダメ!「作り置き」に存在する食中毒菌を検証
高温で湿度が高い梅雨時は細菌が繁殖しやすく、食中毒が気になる時期である。家庭用洗剤などを手がけるジョンソンは6月12日、作り置き料理における食中毒菌の繁殖状況に関する検証や、全国の働く主婦を対象にインターネットで実施したアンケートの結果を公表。作ったあと、冷蔵庫で保管した料理には、見た目やにおいに変化がなくても食中毒が発生する量の菌が存在している可能性があることや、主婦の間で調理器具への除菌が浸透していないことが明らかになった。
包丁やまな板、タッパーの菌は料理にすぐ付着
検証では、食中毒を起こす可能性のある黄色ブドウ球菌が付着した包丁、まな板を用いて加熱調理した鶏肉を切り分け、同じ菌が付着したタッパーに入れて冷蔵庫で7日間保管した。
この鶏肉を検証した結果、保管初日には既に鶏肉に食中毒が発生する量の菌が存在しており、同程度の量の菌が7日間存在し続けていても、鶏肉の見た目やにおいにはほとんど変化が見られなかったという。
アルコール除菌は器具の使用直前、乾いた状態で使用すると効果大
また、2018年5月25~27日、20~40歳代の働く主婦で、梅雨時に「作り置き」を行い、食中毒対策をしていると回答した514人を対象に具体的な対策を聞いた。その結果、「肉、魚、卵などを取り扱うときは、取り扱う前と後に必ず手指を洗う」、「時間が経ちすぎたものは思い切って捨てる」は7割に達したが、包丁、まな板、タッパーなどの調理器具を除菌・殺菌しているとの回答は1割を切っていた(図)。
さらに、食中毒対策として調理器具にアルコール除菌をしている人にそのタイミングを聞いたところ、「使用後、洗って乾いた後に吹きかける」が42.5%、「使用後、洗って濡れた状態のうちに吹きかける」が28.8%と、使用後が多かった。
この回答を受けて、今回の検証と調査を監修した衛生微生物研究センター主席研究員の李新一氏は、「調理器具は、次に使用するまで時間が空く場合、意図せず菌が付着する場合もある。そのため、食中毒対策としては、器具の使用直前にも除菌するとより効果的である」と述べている。加えて、アルコールは水分で薄まると除菌効果が低くなるため、乾いた器具に吹きかけたほうが良いという。
忙しい人には便利でありがたい作り置き料理だが、しっかりと食中毒対策を講じた上で活用したい。