【食品衛生】健康被害出るケースも 食品リコールは毎年多発
メーカーが食品を自主回収する食品リコールは毎年、多数発生している。消費者が口にしても問題がないケースが大半を占めるが、健康被害が出る深刻な事例も起きている。
神奈川県平塚市の食品会社などが昨年、販売した冷凍メンチカツを食べた人が腸管出血性大腸菌O157に感染。自主回収を進めたが、健康被害は数十人に及んだ。
大手メーカーの製品でリコールが発生することも。マルハニチロは今年10月、輸入したムール貝の冷凍食品で、原材料表示などが一部不鮮明だったとして5800個を回収すると公表。伊藤ハムも同月、腐敗した商品が見つかったとして、総菜食品計3570パックの回収を発表した。
製品そのものに問題がなくても、表示の記載ミスがあれば対象となる。外食チェーン大手のリンガーハットは9月、持ち帰り用のチャーハンで、アレルギー物質の卵の記載が漏れるなどしたとして約3万個を回収するとした。
厚生労働省によると、米国や欧州連合(EU)では既にメーカー側がリコールを届け出る制度がある。