【RSウイルス】乳幼児が肺炎に RSウイルス感染症 異例の流行続く
乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルス感染症の患者の報告数は、先月27日までの1週間で6600人余りと、この時期としては異例の流行が続いていて、専門家は対策の徹底を呼びかけています。
RSウイルス感染症は、発熱やせきなど、かぜに似た症状の出る病気で、通常は秋から冬にかけて乳幼児を中心に流行し、初めての感染では肺炎や気管支炎を引き起こし重症化することがあります。
国立感染症研究所によりますと、全国およそ3000の小児科の医療機関で先月27日までの1週間に新たにRSウイルス感染症と診断された患者は6601人と、例年ピークを迎える冬の時期とすでに同じ水準に達するなど、異例の流行が続いています。
このため、ことしの患者の累計はおよそ5万2000人に達していて、この時期としてはこの10年間で最も多くなっています。
都道府県別では、最も多いのが東京都で597人、次いで大阪府で534人、神奈川県で425人などとなっています。
また、例年であれば秋に九州地方から本州に北上するように広がりますが、ことしはすでに新潟県で242人、宮城県で175人、それに、福島県で153人などと東日本でも感染が広がっています。
RSウイルス感染症に詳しい群馬パース大学の木村博一教授は、「新学期が始まり、感染がさらに拡大する可能性がある。
乳幼児はもちろん、高齢者もマスクの着用や手洗いなどの対策を徹底してほしい」と話しています。
専門家 マスクや手洗いなど徹底を
RSウイルスに感染する患者数は、例年11月から12月にピークになり、5月前後に最も少なくなる変動を毎年繰り返しています。
ことしも冬の流行が収まっていく3月から4月にかけては、例年と同じように患者数は1000人を下回る水準となりました。
しかし、4月中旬ころから患者数は増加に転じ、例年であれば最も患者数が少なくなる5月から6月にかけて、多い週では800人の患者が報告されるなど、この時期としては異例の流行となっています。
そして、7月に入って患者数が1000人を上回るとさらに急激に増加し、先月上旬の1週間はおよそ5000人の患者が報告され、先月27日までの1週間の最新の数字では患者数が6601人と、例年ピークを迎える冬の時期と同じ水準に達しています。
このため、ことしの患者の累計はすでにおよそ5万2000人に達していて、この時期としては、この10年間で最も多くなっています。
RSウイルス感染症に詳しい群馬パース大学の木村博一教授は、「ことしは例年よりも2か月程度早く流行しているが、その理由はよくわかっていない。今後、さらに冬に向けて感染が拡大するのか、それとも例年よりも早く終息に向かうのかは予想ができないが、マスクの着用や手洗いなどの対策を徹底してほしい」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/ne…/html/20170905/k10011127741000.html