魚の内臓に寄生するアニサキスによる食中毒の報告件数が急増している。厚生労働省が13日に公表した集計によると、2018年は468件(患者数478人)で、前年の230件(同242人)から約2倍に増えた。特にカツオの刺し身を食べたことが原因による食中毒が急増していたという。
厚労省によると、アニサキスの報告件数はここ数年、増加傾向にある。18年は、ニワトリなどにいる細菌カンピロバクターの319件(同1995人)を上回り、食中毒の原因として初めて1位になった。これまでは刺し身でサバやイカ、サンマを食べたことによる感染が多かったが、18年はカツオによる件数が前年比10倍の100件(同103人)に増えていた。
厚労省の担当者は「海水温の変化などで昨年カツオがとれた海域にアニサキスが寄生する餌が多かった可能性もある」としている。現在、厚労省研究班が実態を調査している。