【エキノコックス】 感染防止はまず手洗い 知多半島でエキノコックス検出 /愛知県
知多半島で捕獲された野犬三頭のふんから寄生虫のエキノコックスが検出されたとの県の発表(三月二十八日)は地域の人々を驚かせた。感染が拡大している可能性もあり、人への感染も懸念される。感染を防ぐ方法を県の担当者に聞いた。
三頭は県動物保護管理センター知多支所(半田市)が、昨年四月~今年二月に知多市と阿久比町、南知多町で捕獲。センターの顕微鏡検査では検体が検出されず、国立感染症研究所の遺伝子検査によって検出された。二〇一四年に阿久比町の野犬で確認されたのに続いて県内で二例目だった。
県健康対策課によると、遺伝子検査は一六年度以後に捕獲した百八十匹の野犬を対象に実施。三月以後には感染した野犬は見つかっていないが、野犬の間で感染が広がっている恐れがある。
エキノコックスは元々、北海道のキタキツネが持っていた体長五ミリ以下の寄生虫。キツネや犬などに寄生し、野ネズミなどを介して感染が広がる。人には感染した動物のふんの中にある卵をのみ込むことで感染する。
人が感染すると、十年ほどの潜伏期間を経て、腹部が張って黄疸(おうだん)が出るなどの症状が出る。放置すると肝機能不全を起こし、死亡することもある。流行地域の北海道では年間に十人ほどの患者が出ている。
県健康対策課の長尾治主幹によると、予防に有効なのは、野山に行った後の手洗い。野犬や野生動物に触れないこと、山菜はきちんと洗い、川の生水は飲まないことなどが挙げられる。
ペットの犬への感染にも気を付ける必要がある。エキノコックスに感染した野ネズミを食べることなどで感染するため、拾い食いをさせない。感染してもすぐに動物病院で受診して駆虫薬を飲めば駆除できる。
長尾主幹は「野山にむやみに行かないのが一番だが、手洗いが重要なのは他のさまざまな感染症と同じ。しっかり対策をしてほしい」と呼び掛ける。
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