【コレラ】イエメンでコレラの感染拡大「患者の治療不十分」 /イエメン
ユニセフ=国連児童基金は28日、都内でシンポジウムを開き、内戦が続く中東のイエメンでコレラの感染が拡大していることについて、内戦で医療機関が破壊されたことで患者の十分な治療ができていない現状を報告しました。
ユニセフは、世界各地で展開している人道支援について知ってもらい支援の拡大につなげようと28日、都内でシンポジウムを開き、80人余りが集まりました。
この中で、ユニセフ中東・北アフリカ地域事務所のヘルト・カッペラエレ代表は、内戦が続くイエメンでコレラの感染が拡大していることについて、感染の疑いがある人のうち、子どもの割合は6割以上に上っていることを報告しました。
そのうえで、「予防や治療を受ければ救えたはずの命が10分に1人のペースで失われている」と述べ、内戦で医療機関が破壊され、患者に十分な治療を行えないため死亡するケースが後を絶たないことを明らかにしました。
内戦が続くイエメンでは政権側と反体制派による激しい戦闘が続いていますが、ことしに入ってコレラの感染が拡大し、これまでにおよそ2000人が死亡し、感染の疑いがある人も40万人に上るとされています。
「ユニセフの活動に支援継続を」
シンポジウムのあとNHKのインタビューに応じたカッペラエレ代表は、ことし5月にコレラの感染が拡大するイエメンを視察した際の現地の様子について「子どもが成長するのに最悪と言える環境だ。長引く内戦で子どもたちは心に傷をかかえ、大人たちも苦しみながら日々暮らしている」と語りました。
また、「ハディ政権側と反体制派の双方とも資金不足により浄水施設を修理できず、医療従事者への給与も支払えないと主張しているにもかかわらず内戦を続けていることは、もはや容認できない」として、双方を批判しました。
そのうえで、「内戦の当事者は、戦闘の継続か市民の命のどちらが大切が直ちに考え、とりわけ子どもたちにこれ以上の苦しみを与えてはいけない」として戦闘を停止するよう呼びかけました。そして、「日本の人たちはこれまでも寛容に、困難に直面する子どもたちを支援してきた。ユニセフがこれからも活動を続けられるように支援し続けてほしい」と述べ、引き続き、寄付などを通して支援を続けるよう呼びかけました。
http://www3.nhk.or.jp/ne…/html/20170728/k10011079021000.html