2018/10/18【サルモネラ】鶏肉から多剤耐性サルモネラ菌、92人が感染 米CDC /アメリカ
米疾病対策センター(CDC)は17日、生の鶏肉を原因とするサルモネラの耐性菌感染が広がり、29州で少なくとも92人の患者が確認されたと発表した。このうち29人が入院しているが、死者が出たという報告はないとしている。
感染源となった鶏肉を供給した業者は特定されていない。問題のサルモネラ菌は生の鶏肉を使ったペットフードや鶏の切り身、ひき肉、丸鶏などの商品から検出されているほか、生きたニワトリからも見つかった。CDCは引き続き調査を続け、米農務省も状況を見守っている。
今回のサルモネラ菌は、複数の抗生剤に対して耐性を持つ。人に感染すると、12~72時間後に腹痛や下痢、発熱などの症状が表れる。
ほとんどの場合、治療を受けなくても4~7日で快方に向かうが、既往症のある患者や5歳未満の子ども、65歳を超す高齢者は免疫系が比較的弱いことから悪化する恐れもある。
CDCによると、感染は1月から始まり、検査で今回の菌に対する陽性反応が出る患者が9月にかけて増加した。
患者はカリフォルニア、ワシントン、ニューヨーク、ハワイなど29州で確認されている。
CDCでは、生肉や家禽類を扱う際は必ず手を洗うよう呼びかけている。ただし調理する前に鶏肉を洗うと病原菌が他の表面に広がる恐れがある。生肉が接触した面は拭き取って、まな板は別のものを使う必要がある。約73度以上の温度で調理すれば、病原菌は死滅する。
猫や犬も生の鶏肉を食べさせると感染して具合が悪くなる恐れがあり、CDCはペットにも生肉を食べさせない方がいいと勧告している。