【ノロウイルス】家族全滅も!? 「ノロウイルスの被害が拡大する」NG行動3つ
毎年、冬になると猛威を振るう「ノロウイルス感染症」。
2015年~2017年の“月別ノロウイルス検出状況”を国立感染症研究所が調査したところ、2016年の12月が最もノロウイルスの検出が多いという結果が出ていました。(※1)
今年もノロウイルスの検出率が高くなる可能性が十分にあります!
そこで今回は、ノロウイルスに感染したらどのように行動すれば被害が最小限で済むのか、対処法とあわせてご紹介します。
下痢だけじゃない!幼い子どもの「ノロウイルス感染症状」
ノロウイルスに感染した際の諸症状は嘔気(吐き気)、嘔吐、下痢です。
赤ちゃんの時期にノロウイルスに感染した際にも症状は同じですが、赤ちゃんを含む子どもでは“嘔吐が多い”のが特徴となります。(※2)
1日に数回、ひどい場合は1日に10回以上も嘔吐や下痢をしてしまい、症状持続時間は十数時間から長くても1日、2日とされています。(※2)
いつの間にか家族全員に感染!? 「ノロの被害が拡大するNG行動」3つ
(1)自分への感染対策をしない
赤ちゃんが突然吐くと、ついつい“素手”で対応してしまうかと思いますが、その対応はNG!
ノロウイルスは接触、飛沫感染という感染経路で感染する可能性が高く、赤ちゃんの吐いた物や下痢になっているウンチを直接触る、あるいはそれらを吸い込んでしまうことで感染してしまいます。
たとえ赤ちゃんが良くなったとしても、ママにうつってしまったら大変。しっかりと感染対策をしましょう!
(2)普通の嘔吐物や下痢ウンチと同様の処理をする
普段と同じように吐しゃ物を拭いたり、下痢の状態の赤ちゃんのウンチが付いたオムツを替えてそのままゴミ箱にポイっとして処理を終了……はNGです!
ノロウイルスに感染している赤ちゃんの吐しゃ物や、下痢になっているウンチが入ったゴミ箱の空気などを吸い込んだ家族に感染してしまいます。
(3)感染している兄弟と一緒に過ごす
赤ちゃんが感染しているのに、同じ部屋で兄弟が一緒に過ごす、あるいは兄弟が感染している空間に赤ちゃんがいる……というのも感染拡大の要因となります。
嘔吐、下痢が見られなかったとしてもノロウイルスと診断されれば、“菌”を保菌しています。
そのため、突然誰かが吐いてしまったとなれば、まだ感染していない方の子も感染してしまいます。
今は吐いていないから……と思わずに、ノロウィルスと診断されたら同じ空間で遊ばせ続けるのは控えたほうが良いでしょう。
それでは、ノロウイルスにかかってしまった場合どのような点に注意したら良いのか、ご紹介します。
ノロウイルスに感染してしまった赤ちゃんへの正しい対処法と注意点をご紹介します。
(1)吐いた物・ウンチを処理する時は?
必ず使い捨てのマスク・手袋・エプロンを着用しましょう。そして速やかに処理します。
まずは吐しゃ物をペーパータオルや新聞紙などでくるみ、ビニールに捨てます。
その後、雑巾など捨てても良い布を薄めた「次亜塩素酸ナトリウム」に浸し、床を拭き取ります。
(薄め方は、500mlのペットボトルのキャップ1杯の次亜塩素酸ナトリウムに対して、水500mlがベストです。)
その後、水拭きをして完全に乾燥するまで放置します。
捨てる前に、吐しゃ物の入ったビニールの中にも「次亜塩素酸ナトリウム原液」を新聞紙やペーパー類が完全に浸るまで注ぎ入れ、しっかりと口を縛り、できればもう1枚袋にいれて結んでから破棄しましょう。
また、オムツの場合は便が完全に内側に来るようにしてオムツを包み、ビニールに入れ、「次亜塩素酸ナトリウム」をオムツが浸るまで注ぎ入れてから袋を2重にし、しっかりと口を結んで破棄してください。
(2)吐物や下痢便がパジャマや布団についてしまったら?
吐しゃ物や下痢ウンチが赤ちゃんのパジャマや布団についてしまったら、まずは先ほどと同様に拭き取りましょう。
パジャマは脱がせ、しぶきが飛ばないように洗剤を入れた水の中で静かに“もみ洗い”します。
洗い終わったら85度以上の湯に1分間浸す、あるいは先ほどと同量の比率の「次亜塩素酸ナトリウム」を入れた水に浸してから洗濯をしましょう。(※3)
(3)感染している子に、ママがしてあげられることは?
吐いたり下痢をしている場合、吐しゃ物がついてしまった顔や身体、お尻をきれいに洗い流してあげましょう。そのままにしていると家族が感染するだけでなく、赤ちゃんの“皮膚炎”の原因にもなりかねません。(※4)
さらに吐いた、下痢が続いた等により“脱水”を引き起こす可能性もあります。調子がよさそうなタイミングで、少しずつ水分摂取を勧めましょう。
また、皮膚や口、舌が乾燥している、活気がなくぐったりしている、目が落ち込んでいるなどの症状が見られたり、水分を飲ませても吐いてしまう……という時は病院を受診して点滴などの処置を受けたほうが良いでしょう。(※5)
いかがでしたか?
保育園や幼稚園など、集団から菌をもらってしまうことも多いと思います。
いつもらってくるか分からないので、いざという時に慌てないようしっかり対策をして、家族みんなにノロウイルスが蔓延していくのを防いでいきたいものですね。
【参考・画像】
※1 月別ノロウイルスGII遺伝子型検出報告状況、2015/16-2017/18シーズン – 国立感染症研究所
※2 ノロウイルス – 国立感染症研究所感染症情報センター
※3 ノロウイルスに関するQ&A – 厚生労働省
※4 おむつかぶれ – 日本医師会おむつかぶれシロクマ先生子ども診療所
※5 小児の脱水症 – 福岡赤十字病院小児科