2018/12/10【ノロウイルス】箱根のプリンスホテル 宴会で42人が食中毒 ノロウイルス検出 /神奈川県
神奈川県箱根町のプリンスホテルで今月2日、宴会場で食事した42人が下痢や嘔吐などの症状を訴え、患者や食事からノロウイルスが検出されたことが明らかになった。同ホテルでは今月4日から全館で営業を自粛している。
食中毒が発生したのは、「箱根仙石原プリンスホテル」。神奈川県によると、今月2日午後5時、同ホテルの宴会場で従業員とその家族を対象とした懇親会を実施したところ、参加者のうち65人が体調不良を訴えた。
小田原保険福祉事務所が調査した結果、患者と従業員42人の便と当日提供された食品からウイルスの陽性反応が確認されたことから、宴会で提供された食事が原因の集団食中毒だと断定し、同施設に対し9日からの営業禁止を命じた。
ノロウイルス流行シーズンに突入
宴会では、チキンとアボカドのサラダ、ローストビーフのほか、フランス料理とビュッフェのコースが提供されており、現在、原因食品の特定を急いでいる。同プリンスホテルでは、患者発生直後の今月4日から全館の営業を自粛し、5日以降はホテルのレストラン、宴会場、大箱根カントリークラブのレストラン営業を自粛している。
神奈川県内で今年発生した食中毒は93件894人で、昨年の同じ時期に比べて件数にして約1.6倍、患者数では2倍以上に多くなっている。
ヒトの小腸で増殖するノロウイルスは、年間を通じて発生するが、特に冬に多く、11月〜3月にかけて胃腸炎の症状を引き起こす。100個以下の少量でも発症し、感染力が強く、保育園や高齢者施設など集団生活の場では感染が広がり、集団発生しやすいことから、流行期は手洗いを徹底し、下痢や吐物、汚れた下着や床を処理するときは素手で触らず、必ず使い捨て手袋やマスクなどを使用し、家庭用漂白剤など塩素系消毒薬を使ってほしい。