【パンデミック対策】エボラ対策反省、管理網構築へ=医療救援の物流-WFPとNEC
2014年、西アフリカを中心に世界的危機が起きたエボラ出血熱をめぐる反省を踏まえ、国連世界食糧計画(WFP)と日本の電機大手NECが、現場で緊急に必要になる医療・救援物資を的確に届けるための物流管理網を構築する。WFPのカズン事務局長とNECの遠藤信博会長が9日、東京都内の国連大学で記者会見し発表した。
カズン事務局長は、急速に広がったエボラ出血熱の感染を前に「防護服はもちろん手袋まで足りているのか、いないのか、分からない状況になった」と14年の混乱を振り返った。世界的感染症拡大が次に始まったとき「何が今、手に入るのか、どう送れるのか、現場で何が消費され、次はどこにそれがあるのか、常に分からなければならない」と指摘し、新システム構築の必要性を訴えた。
小売店の日配品廃棄や工場の部品在庫を削減させた日本の技術と、世界各地で食料支援を行い国連機関の中では最も物流に強いWFPの経験を融合させる。しかし、遠藤会長は「例えばアフリカの奥地で感染症が始…まった場合、現地でどうネットワークを確立していくか、何回も試験を行っていかないといけない」と今後の課題を語った。
カズン事務局長によると、管理網構築に必要な予算は760万ドル(約8億7000万円)。うち100万ドル(約1億1000万円)の拠出を日本政府が決め、始動することになった。