【プール熱(咽頭結膜熱)】小学校のプール、ゴーグル禁止の謎…その理由を調査
6月7日、気象庁は中四国・近畿・東海・関東甲信が梅雨入りしたと見られると発表。梅雨が開ければ、真夏はすぐそこだ。西日本では早くも小学校、幼稚園などでプール開きが行われており、関東も多くの学校で来週ごろからプール開きが行われる。
◆プール熱が流行なのにゴーグル禁止?
プールの授業を楽しみに待つ子どもも多い一方で、心配なのは咽頭結膜熱、通称プール熱だ。国立感染症研究所(NIID)が6月6日に公表した速報データによると、小児の急性ウイルス性感染症である「咽頭結膜熱(プール熱)」の患者は増加傾向にあり、過去10年同時期と比較するともっとも多い患者数にのぼることがわかった。
プール熱の感染経路のひとつには、プールを原因とする汚染した水から結膜への直接侵入があげられていることから、ネットユーザーからは「こんな状態なのに、小学校のプール授業でゴーグルはなるべくしないで、というのはおかしい…という声があがった。実際に、小学校のプール授業では、ゴーグルの利用は禁止されているのだろうか。また、その理由は何か。
◆禁止は稀、ただし利用には注意も
リセマムは、Twitterのアンケート機能を利用し、6月7日と8日、小学校のプール授業でゴーグルの利用が禁止されているか、また、自身が小学生だったころはどうだったかを聞いた。有効回答数は141票。
アンケートの結果、「禁止されている(または、禁止されていた)」と回答したのは9%。「禁止されていない(または、いなかった)」と回答したのは85%だった。多くの小学校ではゴーグルを禁止していないことがわかった。
しかし、禁止はされていなくとも、ゴーグルの着用は「自分で装着・調整が大前提」とする意見が見られた。特に、「調整で目を離した隙に事故でも起きたら取り返しがつかない」とのことから、ゴーグル着用に伴う手間や安全面を危惧しているようだ。
◆禁止の理由は慣れと安全
大々的にはゴーグルの利用を禁止している学校は少ないことがわかるが、「つけてもよい」「利用が必要な場合は申し出ること」など、利用にはなんらかの注意を設けている学校も見受けられる。
ゴーグルの着用が好まれない理由には、ゴーグルがなくても水に慣れるようにするため、児童同士の接触による破損、怪我などがあげられる。ただし、数十年前と比較すると割れやすいガラス製のゴーグルはほとんどみかけなくなっており、使用上の注意を守って着用すれば問題がなさそうに思える。
リセマム調査には「今の子は全員持っているようで私は必要ないと思いましたが、子どもに買わされました。『ゴーグルがないと水に顔をつけられない』子もいるようで本末転倒だなあ…と思います。」との意見が寄せられていることから、ゴーグルに対する意識は、世代によって異なることもわかった。
現代では、怪我よりもプール授業を発端とする結膜炎や充血、プール熱に対する不安の声が多くあがっている。子どもが一人でゴーグルを着脱できるようになったら、眼病予防やよりクリアな視界のためにも、着用を検討してみてもよいのかもしれない。
https://resemom.jp/article/2017/06/08/38560.html