【マダニ感染症】ダニ媒介脳炎 野ネズミなどからウイルス 北大調査
マダニにかまれることで感染する「ダニ媒介脳炎」の国内で初めての死亡例が去年、北海道で確認されたことを受けて、北海道大学の研究グループが調査したところ、札幌市内で捕獲された野ネズミなどのおよそ1割がウイルスに感染していたことがわかりました。国立感染症研究所によりますと、人口の多い都市の近郊で、このウイルスに感染した野生動物が確認されたのは初めてだということです。
ダニ媒介脳炎はマダニにかまれることで感染し、発熱や筋肉痛などの症状が出て、重症化すると死亡することもあります。
国内では、これまでに北海道で2人の感染が報告され、このうち去年8月には、初めての死亡例が確認されています。
これを受けて、北海道大学の研究グループが札幌市内の山林で捕獲された野ネズミやアライグマ84匹の血液を調べたところ、12%に当たる10匹がダニ媒介脳炎のウイルスに感染していることがわかったということです。
国立感染症研究所によりますと、これまでに北海道の南部や島根県で、このウイルスに感染した野生動物が確認されていますが、札幌市のような人口の多い都市の近郊で確認されたのは初めてだということです。
北海道大学大学院の好井健太朗准教授は、「少なくとも、調査した地域の山林では、このウイルスが常に存在していると考える必要がある。ただ、マダニにかまれなければ感染はしないので、野山に入る際は長袖長ズボンを着用して予防に努めてほしい」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/ne…/html/20170510/k10010976251000.html