2017/08/31【マダニ感染症】ペットの猫にも「マダニ」つくこと明らかに
【マダニ感染症】ペットの猫にも「マダニ」つくこと明らかに
マダニが媒介する感染症、SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」で去年死亡した西日本の50代の女性が、猫から感染した疑いが強いことが、先月、厚生労働省の発表で明らかになりました。
実は、これまで室内で飼うことが多い猫には、通常、山にいるマダニはあまりつかないと考えられてきました。
身近なペットの猫に危険なウイルスを持つマダニがつくことはあるのか。NHKが全国の動物病院に情報提供を呼びかけたところ、回答のあった150余りのうちおよそ7割で「つくことがある」と回答、マダニが猫にも広がっている実態が初めてわかってきました。
SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」は、主に原因となるウイルスを持つマダニにかまれることで感染する病気で、国内での致死率はおよそ20%に上り、ことしは今月6日までに発症した人の数は64人と、統計があるここ5年間で最も多くなっています。
こうした中、ウイルスに感染していた疑いのある野良猫に手をかまれた50代の女性が死亡していたことが、先月明らかになったほか、SFTSを発症した猫が始めて確認されるなど、マダニやSFTSウイルスの生活圏への拡大が懸念されています。
NHKでは、今回全国500余りの動物病院の獣医師に「ペットの猫にマダニがつくか」について電話やメールでアンケート調査を行ったところ、合わせて154の病院から回答が得られました。
このうち、「5年前も今もつく」が105か所、「5年前はつかなったが、今はつく」が6か所と、およそ7割の動物病院で診療の際、猫にマダニがつくことが確認されていました。
マダニは、通常は森林や草地などにいて野生動物などの血液を吸って暮らしているため、人間の生活圏に近い場所で暮らす猫につくことはほとんどないと見られていたということで、危険生物に詳しい国立環境研究所生物・生態系環境研究センターの五箇公一室長は「シカやイノシシなどの野生動物が人間の暮らす地域にマダニが入り込む機会が増えたため、猫にもつくようになっていると考えられる。
SFTSウイルスは全国に広く分布しているので、警戒が必要だ」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/ne…/html/20170830/k10011119481000.html