マダニにかまれたあと、発熱などの症状が出た男性から、新たなウイルスが検出されたことを国立感染症研究所が明らかにしました。患者は一時、歩けなくなるなど、全身の状態が悪化したあとで回復しましたが、研究所では、患者がさらに見つかる可能性があるとして、検査体制の確立が必要だとしています。
国立感染症研究所によりますと、北海道で去年5月、山菜採りにいった40代の男性が、マダニにおなかをかまれていたことに気がついて取り除きましたが、その4日後から39度台の熱が出たほか、両足に痛みが出て歩けなくなり、入院したということです。
男性は、白血球や血小板が減っていたほか、足の筋肉に炎症が起きるなど全身の状態が悪化しましたが、治療の結果、回復し、退院したということです。
北海道大学や国立感染症研究所などが血液などを調べたところ、これまで報告されたことがない新たなウイルスが見つかったということです。
ウイルスは、マダニが媒介する感染症、SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」を引き起こすウイルスに近いということです。
国立感染症研究所ウイルス第一部の西條政幸部長は「今後、さらに見つかる可能性がある。診断や治療法などの開発に向けた研究を進め、検査体制を確立することが必要だ」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/n…/html/20200131/k10012266111000.html