2017/06/06【マダニ感染症(SFTSウイルス)】死亡率3割のマダニ感染症SFTSに注意!先月だけで13件
【マダニ感染症(SFTSウイルス)】死亡率3割のマダニ感染症SFTSに注意!先月だけで13件
マダニから感染し、重症化すると出血や意識障害などを起こして、死亡する場合もある「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、国立感染症研究所が注意を呼びかけている。
国内では2013年に最初の患者が確認されたSFTSは、ウイルスを持つマダニに咬まれることから感染し、6日〜2週間の潜伏期間を経て、発熱や下痢、嘔吐、腹痛などの症状が現れ、ひどくなると意識障害や失語、皮下出血や下血などの出血症状を起こす。治療薬やワクチンは開発されておらず、致死率は6.3〜30%と高い。
国立感染症研究所がまとめた動向調査によると、国内では2012年以降、250人の感染が報告されており、今年は5月30日時点で20人が発症している。発症は屋外で作業する機会が増える5〜8月にかけて急増し、今年も先月だけで13人の報告がある。
これまで国内で報告された250人のうち、発生が多いのは宮崎県や高知県、鹿児島県など西日本が中心で、患者の年齢は60〜80代が多い。これまで56人が亡くなっており、多くが草むしりや畑作業中の高齢者だ 。
マダニは草むらややぶなど全国に生息していて、体長は数ミリから1センチ。国立感染症研究所によると、これまでの感染例でマダニが咬んだ痕跡が見つかったのは約4割ほどにとどまっていて、半数以上が見つかっていないことから、症状が悪化するおそれもある。
同研究所では「屋外で作業する際は、長袖、長ズボン、足元を完全に覆う靴などで肌の露出を少なくし、咬まれたときは、無理に引き抜こうとせず、すぐに病院に行ってほしい」と呼びかけている。