2017/06/28【マダニ感染症:SFTSウイルス】マダニ感染症、県北集中 死者2人は佐世保市民 /長崎県
【マダニ感染症:SFTSウイルス】マダニ感染症、県北集中 死者2人は佐世保市民 /長崎県
マダニが媒介するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者が県北部に集中している。26日までに県内で感染した5人の内訳は佐世保市3人と平戸市2人。このうち2人が死亡し、いずれも佐世保市民だった。マダニは至る所に生息し、発症に地域的な特性はないが、感染経路が分かりづらく予防策も手探り状態にあるため、佐世保市保健所は頭を抱えている。
SFTSは2013年に国内で初めて確認された。主にマダニにかまれて感染し、6日~2週間の潜伏期間を経て、発熱や下痢、吐き気など消化器に症状が出る。対症療法での治療しかできず、有効な薬やワクチンはないため、血栓ができて多臓器不全などに陥って死に至るケースもある。
マダニの活動が活発になる5~11月の感染例が多く、今年の最初の患者(佐世保市)も5月だった。県内では13年以降、16人が感染し、うち6人が死亡。感染者は全員50代以上で60、70代が大半を占めており、体力が落ちる高齢者が犠牲となっている。
今年、感染した5人はいずれも海外渡航歴はなく国内で感染したとみられる。庭いじりや農作業などを日常的にしていたことは分かっているが、具体的な感染場所は不明。マダニは野山や畑、あぜ道など身近な場所にも多く生息しており、市健康づくり課の野村成人課長は「マダニはどこにでもいる。特定の地域に絞り込むのは困難」と話す。
市保健所によると、マダニの予防のためズボンの裾を長靴の中に入れるなど肌の露出を避けることが肝心。虫よけスプレーも効果があり、帰宅後はシャワーを浴びてマダニの有無を確認するよう呼び掛けている。
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