世界保健機関(WHO)は4日、蚊が媒介する感染症のマラリアによる死者が、2018年に世界で40万5千人に上ったとの報告書を発表した。減少傾向は続いているが、死者数が約4分の1減った10~15年の5年間に比べ、その後の3年間の減少幅は約1割にとどまっており、さらなる対策を求めている。
死者の67%は5歳未満の乳幼児。総数2億2800万人の感染者はアフリカに集中しており、93%に上っている。ナイジェリアが25%、コンゴ(旧ザイール)が12%と特に多い。アフリカに次ぐのが、東南アジアで3.4%。
報告書は、妊婦への感染で生じる深刻な問題にも言及。アフリカで特にマラリアがまん延している38カ国では18年に、全妊婦の29%に相当する1100万人がマラリアに感染し、この影響で87万2千人の新生児が低体重で生まれた。
マラリアは高熱、悪寒などの症状が特徴。18年にはパラグアイとウズベキスタンで、19年にはアルジェリアとアルゼンチンで撲滅された。
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