下痢性疾患およびその病原体を評価した「世界の疾病負荷2016」の調査結果を基に、5歳未満小児のロタウイルス感染およびロタウイルスワクチンにより回避された死亡数を国別に検討した。
その結果、ロタウイルス感染が、2016年に世界で発生した5歳未満の小児の推定12万8500人の死亡の原因で、そのうち10万4733例はサハラ以南で発生した。ロタウイルス罹病率は人年当たり0.42例だった。ワクチンの使用によって2万8000人以上の死亡が回避できたと推定され、特にサハラ以南でロタウイルスワクチンの使用を拡大することによって、5歳未満の小児の下痢に起因する全死亡の約20%を回避することができたと推定された。