2017/06/24【原因不明】「感染ルート見いだせぬ」川崎の園児2人死亡、原因いまだ不明 「偶然」説も…不安拭えぬまま /神奈川県

【原因不明】「感染ルート見いだせぬ」川崎の園児2人死亡、原因いまだ不明 「偶然」説も…不安拭えぬまま /神奈川県

川崎市の私立大師幼稚園に通う4歳の女児と男児が6月に相次いで死亡した原因の究明が難航している。市は感染症の可能性もあるとみて検査したが、強い病原性を持つウイルスなどは見つからなかった。感染症の可能性は低く「偶然」との見方も浮上。原因特定まで市民の不安は拭えそうにない。

市は国立感染症研究所に依頼し「次世代シーケンサー」と呼ばれる最新機器を使って解析したが、病原体は発見できなかった。川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「一般的には感染症の可能性は極めて低い」と強調する。

女児は4日ごろから嘔吐(おうと)や発熱があり、急性胃腸炎と診断されたが、6日未明に症状が悪化し死亡。男児は12日朝に発熱があり、その後けいれんするなど容体が急変して亡くなった。

2人の症状は違い、家族や他の園児にも重篤な症状はない。市の坂元昇医務監は「感染ルートが見いだせない。他の人に症状が表れないのは感染症としては疑わしい」と説明。岡部所長は「現時点では、偶然とも考えられる」と指摘する。

市は引き続き検査を実施するが、「原因が分からない可能性もある」と坂元医務監。東京都監察医務院が平成27年に解剖した遺体のうち、原因が特定できない「不詳の死」は6%だったが、0~4歳児では26人中、27%の7人となっており、「死因が特定できない幼児の死は少なくない」(坂元医務監)。

自主休園を延長していた幼稚園は感染拡大の恐れがないことを保護者に説明して26日から再開する。金沢大の谷内江(やちえ)昭宏教授(小児科学)は「偶然の可能性もあるが、2人も続くことはかなりまれだ。原因が分からない以上、周囲の子供は発熱などの症状があれば受診した方がいい」と話す。

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