2017/05/06【性感染症】キスしただけでうつる性感染症は意外とたくさんある
【性感染症】キスしただけでうつる性感染症は意外とたくさんある
主に性行為で感染すると言われている性感染症ですが、キスで感染するものもあることをご存じでしたか? 病院での治療で治るものや、命に関わる危険なものまで、キスで感染する性感染症の種類は様々です。今回はキスによってうつる性感染症の種類や、感染経路などについてご紹介します。
性感染症とは? 性感染症とは性行為(セックス)によって人から人へ感染する病気です。これは性器のセックスだけではなく、口と性器でのオーラルセックスや、肛門でのアナルセックスなど、あらゆる性的接触によって感染するといわれており、誰でも発症する危険性があるとされています。 …
性感染症には自覚症状のあるものと無いものがあり、自覚症状が無い場合は治療が遅れたり適切な治療を受けられなかったりする可能性がある危険な病気です。昔と違い、性行為を不特定多数の相手と行う人が多くなっている現代では、性感染症患者の数も増加傾向にあります。
なぜキスだけで感染してしまうのか? 性感染症は性行為の他にも、キスで感染してしまう場合があります。性感染症は、そのウイルスを持つ人の粘液や血液などを通じて感染します。
通常は、ウイルスの混じった粘液が性行為の時に怪我による傷や出来物などから体内に入り込むことで感染してしまいます。ですが、キスの場合もお互いの口周辺に傷などがあると、血液にのってウイルスが侵入する可能性があるのです。
キスだけで感染してしまう病気にはどんなものがある? ここでは、キスによって感染することのある、代表的な性感染症についてご説明します。
口唇ヘルペス、性器ヘルペス
最も感染しやすいといわれている感染症が、口唇ヘルペスや性器ヘルペスです。そもそも、ヘルペスとは単純ヘルペウイルスの感染によって起きる病気です。このウイルスには2つのタイプがあります。
一つは1型といい、口の周りに出来る口唇ヘルペスの原因となります。もう一つは2型といい、主に性器など下半身に近い部分にヘルペスが出来る原因となるといわれていますが、近年では1型でも性器にヘルペスが発症することもあることが分かっています。
口唇ヘルペスの症状としては、口の周りや唇に水膨れが出でき、そのうち痒みや痛みを感じるようになり、時には熱を帯びたような火照りを感じ、酷く痛んだりすることもあります。
一方、性器ヘルペスになると、男性の場合は性器の亀頭や陰茎部分に痒みを伴う赤いブツブツができ、どんどん痛みに発展していくといった症状があらわれます。
咽頭クラミジア
性感染症として有名なクラミジアにも、キスで感染する可能性のあるものがあります。それが咽頭クラミジアです。これは、クラミジアのウイルスを持つ人がオーラルセックスなどで喉にクラミジアを発症し、その人とキスをすることで発症してしまう可能性のある病気です。
症状があらわれにくく、喉の痛みを感じたり熱が出たりすることがあるため、風邪と間違えられて治療が遅れる場合がありますが、自然治癒は出来ない病気といわれています。
咽頭淋病
咽頭淋病も無症状であることが多く、キスでうつる可能性のある性感染症の一つです。放置していると他の感染症のリスクを拡大してしまう可能性があるので、注意が必要です。
B型肝炎
B型肝炎も、キスから媒介することがある病気の一つです。B型肝炎になると免疫不全が起き、あらゆる病気への耐性が弱まってしまうという恐ろしい病気です。これは、血液や体液などから感染するため、キスの時に血液が付着したりして感染する恐れがあります。
B型肝炎のウイルスはHIVより感染力が強いといわれています。
ウレアプラズマ感染症、マイコプラズマ感染症
これらは発症すると喉に違和感や痛みを感じたり、咳が出るといった症状があらわれることがありますが、無症状の場合もあります。
梅毒
梅毒は感染すると、3週間から3カ月程ウイルスの潜伏期間があり、その後発症します。梅毒の症状としては、感染した部位に硬いしこりのようなものができ、それを放置しておくと体内にウイルスが広がり、発熱やリンパ節の腫れなどを引き起こします。時には体の末端や全身に赤いブツブツが出来ることもあります。
梅毒は梅毒トレポネーマというウイルスが媒介するのですが、これは口の中に感染することもあるウイルスであり、性行為だけでなくキスだけでも感染することがあるのです。
HIV
HIVも血液を通じて感染することのある病気であるため、キスをした時に傷口から感染する恐れがあります。HIVになると、初期は風邪に似ていて発熱したり倦怠感があったりといった症状があらわれますが、病気が進むに連れて免疫力が弱まり、様々な感染症のリスクを高め、死に至る場合もあります。
まとめ このように、キスでうつる可能性のある性感染症はたくさんあります。なかには、はっきりとした症状が出ないものもありますので、病気にかかっていること自体気付かないこともありますが、そのまま放置しておくのは危険です。予防のためには、避妊を心掛けることはもちろんですが、定期的に病院で検査を受けることをおすすめします。