【手足口病】大流行の手足口病!大人にも感染するの?
今年も大流行の兆しを見せている手足口病
手足口病が乳幼児を中心に大流行の兆しを見せています。国立感染症研究所は、6月26日〜7月2日の間の患者数が、昨年同期比の約7倍になったと発表しました。手足口病とはどういう病気で、大人にも感染するのか考えてみましょう。
手足口病とは?
手足口病は、おもにエンテロウイルスやコクサッキーウイルスによるウイルス感染症で、乳幼児を中心に、主に夏に流行します。感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水ぶくれのような発疹が出ます。痒みを訴える患者さんもみえます。
熱が上がることもありますが、あまり高くならないことが多いです。何も治療しなくても、数日間のうちに治ります。しかし、脳炎などの危険な合併症がまれに出ますので、注意深い観察は必要です。
手足口病はどのように感染するか?
咳など唾液や、水ぶくれがつぶれた汁や、大便をした後に手を洗って拭いたタオルなどから移ります。つまり、密に生活している幼稚園や保育園では集団感染しやすく、注意が必要です。
乳幼児は免疫も弱く、衛生観念もあまり発達していない場合が多いので、今回のような大流行となっているのかもしれません。
手足口病には有効なワクチンはなく、有効な予防策もありません。なぜなら、感染しているのに症状が出ないままウイルスを排泄している場合もあるし、治った後でも、身体からウイルスが比較的長い期間排泄されることがあるからです。
しかし、もともと手足口病は、ほとんどが軽い症状で済みますから、そんなに怖がる必要もありません。手洗いをしっかりとすることと、大便の処理をきちんとすること。トイレやお風呂のタオルを感染者と別にすることが予防となります。
おとなも手足口病になるのか?
約90%は乳幼児に発症すると言われていますが、おとなにも感染します。うちのクリニックでも先日、お子様2人が手足口病に感染した親が、手足口病で来院されました。
おとなの感染者の特徴は、子供より症状が重いことです。38度以上の高熱を出したり、発疹の痒みが強かったりします。
この場合でも、かゆみ止めや解熱薬のような対症療法しかなく、自然経過を見るしかありません。1週間もすればほとんどの場合は治るので、心配はありませんが、合併症は恐いので、医療機関を受診してください。
基本的には、仕事を休む必要はありませんが、周りへの感染拡大には注意してください。手足口病は、比較的安全なウイルス感染症です。
しかし、風邪でもそうですが、まれに重症化して命を脅かすこともあるので、異変を感じたらすぐ医療機関に受診してください。夏場ですので、熱がある場合は水分の摂取は怠らないでください。