【敗血症】ソウル江南の皮膚科で施術受けた20人が集団敗血症に /韓国
ソウル江南(カンナム)のある皮膚科で施術を受けた患者が集団敗血症の症状を示して近くの大型病院に搬送された。一部は敗血症ショックによって血圧が大きく落ち、集中治療室で治療を受けている。昨年12月に発生した梨大木洞(モクドン)病院の新生児集団死亡事件のように、注射剤汚染による細菌感染の可能性が指摘されている。
8日、警察や疾病管理本部などによると、7日にソウル江南区新寺洞(シンサドン)ある皮膚科で診療を受けていた患者21人のうち20人が同日午後に敗血症の症状を示し、大型病院に搬送された。
患者は、この皮膚科で麻酔剤「プロポフォール」の注射を打った後、肌の色を明るくしたりシワを改善したりする施術などを受けた。これまでプロポフォールの使用過多によって死亡した例はあったが、細菌汚染事故は発生したことはない。
警察は、皮膚科院長P(43)ら医療スタッフを対象に、医療事故やプロポフォールの管理、適正使用していたかどうかなどについて事情聴取を行っている。この皮膚科は肌の美容施術を専門としている。最近は、リフティングやトーニング施術など10回単位のパッケージ商品を通じて割引イベントをしながら患者を集めた。
警察は1回目の現場鑑識を終わらせ、疾病管理本部や国立科学捜査研究院、食品医薬品安全処などと合同調査を行った。疾病管理本部は注射剤が変質していた可能性があるという皮膚科関係者の陳述などに基づいて疫学調査に着手した。
翰林(ハンリム)大学江南聖心(ソンシム)病院のイ・ジェガプ感染内科教授は「プロポフォール注射剤には大豆油成分が含まれているが、梨大木洞病院事件の時に問題になったバランス脂肪乳剤『SMOFlipid(スモフリピッド)』にも同じ成分が含まれている」とし「注射剤が製造中に汚染されたのか、あるいは医療機関で混合したり投与したりする過程で汚染されたのかを調べなければならないが、後者の可能性がある」と述べた。薬品自体に問題があれば同じ薬品を使っている他の病院でも事故が起きてもおかしくないが、そのようなケースがないため、注射剤汚染の可能性が高いとみられている。
◆敗血症…細菌・ウイルスなどに感染して前身に深刻な炎症が現れる状態。発熱・低血圧・呼吸困難などの症状が現れ、症状がひどい時には死亡に至る場合もある。