2020/07/08【新型コロナウイルス:COVID-19】「検査キット足りない」米で再び コロナ感染急拡大で  /アメリカ

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない米国で、検査能力の不足が再び表面化している。希望者が殺到し、全員が検査を受けられない例もある。対策が遅れると、感染実態の把握に手間取る可能性もある。
南部ルイジアナ州ニューオーリンズ市の大学構内に設けられた検査施設には6日、明け方から長い行列ができた。当局の説明によると、午前8時の開門から5分ほどで1日の検査人数の上限である150人分の整理券の配布を終えた。ほかの多くの人々は検査を受けられなかったようだ。
南西部アリゾナ州フェニックス市の検査施設周辺では7月に入り、セ氏40度を超える猛暑の中で何時間も車中で待つ人々の様子が地元メディアで報じられた。同市のガレゴ市長は6日「こんな事態は受け入れ難い」とツイッターに投稿した。
米国各地では5月から段階的に経済活動を再開した。市民が互いに接触する機会が増え、感染が再び広がり始めた。米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると1日当たりの新規感染者数は足元で4万人を超える。7日時点の累計で感染者数は296万人に達し、死者は13万人を超えた。
深刻なのは南部だ。アリゾナ州やフロリダ州では過去2週間で累計の感染者数が以前の2倍前後に膨らんだ。一部の検査施設には、処理能力を上回る人数が訪れている。
米国では感染拡大が本格化した3~4月にも検査能力の不足が大きな問題となった。トランプ政権は検査に使う綿棒や試料などの増産を企業に促すとともに、州政府とも連携して各地域の検査施設を拡充してきた。
米疾病対策センター(CDC)によると全米ではこれまでに総人口の1割強にあたる累計3700万人が検査を受けた。最近の検査件数は週400万件前後に増えたとみられるが、感染が多い地域では需要が供給をなお上回る。希望者が速やかに検査を受けられる体制はまだ整っていない。
南部ルイジアナ州の検査施設では検体の処理に使う試料が不足気味だ。同州の保健担当者は市民に、感染者と濃厚接触した疑いがある場合や、発熱などの症状を認められる際に限り、施設を訪れるよう呼びかけている。
米国では複数の人からの検体を合わせて集団で検査し、結果が陽性だった場合は個別に詳しい検査を実施することも検討されている。感染拡大期の中国などで用いられた手法だが、陽性率が高い場合には効果的に機能しないことも考えられる。
フロリダ州のデサンティス知事は7日、3月に発令した緊急事態宣言を60日延長すると明らかにした。米南部では感染の封じ込めがなお遠い。経済活動が再び停滞する懸念も強まっている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61273390Y0A700C2000000/

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