2020/05/04【新型コロナウイルス:COVID-19】すぐできる!感染を防ぐ“究極の対策” 医師自らも実践

終わりが見えない新型コロナウイルスの感染拡大。医療現場の最前線に立つ医師らが今思うことは何なのか。医師らを取材したAERA 2020年5月4日-11日合併号の記事を紹介する。
●正確な情報を得られないまま支払う代償
上昌広さん(51)医療ガバナンス研究所理事長
安倍晋三首相は4月16日、緊急事態宣言を全国に広げました。今、感染者が増えているといいますが、それは本当でしょうか。PCR検査を増やしただけとは考えられないでしょうか。
すでに増えているのなら、宣言に意味はありません。研究者にとっては騒げば研究費が増えるでしょうが、多くの国民は職を失います。大きな判断の割に、根拠が希薄なのです。
一方、今増えているわけではないことをうかがわせるデータがあります。国立感染症研究所のデータは、東京でインフルエンザや肺炎で亡くなる人たちが2月に増えていたことを示しています。2月は東京で流行していないにもかかわらずです。ここに新型コロナの死者が紛れ込んでいる可能性があります。
韓国や台湾はすでにピークアウトし、欧米でも規制を緩和しようという議論が始まっています。どうして日本だけが今頃になって爆発的に増えているのでしょうか。合点がいきません。
ようやく日本もPCR検査を増やそうとしていますが、正確な情報を得なかったために今、極めて大きな代償を払おうとしています。多数の感染源となるスーパースプレッダーをみつけてクラスター対策をするというのは、学会で議論すればいいものでした。日本では感染実態がわからないまま院内感染が爆発し、医療が崩壊しつつあります。
科学者やメディアの在り方も考え直すべきだと考えます。新型コロナに関連して世界の科学誌やメディアではゲノムの話が山ほど出てきますが、国内ではまったく議論になりません。グローバル時代に、医療は国際的なコンセンサスを得やすい分野で、ねじ曲がったことは露呈します。また、医系技官に振り付けられた専門家が科学者の矜持を失っているし、ジャーナリズムはそのことを書きません。
今やらなければいけないのは、院内感染対策と、現状の正確な理解です。公衆衛生というよりは、国民サービスの視点で対応に当たらなければ、収束させることは難しいでしょう。
●感染のリスク減らすには顔を触らない
大谷義夫さん(56)池袋大谷クリニック院長
新型コロナウイルスの感染拡大がいつ鎮まるのか、現時点では全く見えません。このウイルスの主な感染経路は、飛沫感染と接触感染。外出を自粛して濃厚接触を極力減らすことで、飛沫感染はある程度抑えられるでしょう。それを前提としたうえで、究極の対策は、顔を触らない。特に、目、鼻、口を触らないことだと考えています。
みなさん、この認識がまだまだ甘い。クリニックにいらっしゃる患者さんも、「感染しないか心配」と言いながら、目をかいたり、鼻をこすったりしています。これでは、接触感染を自ら招いているようなものです。
マスクもアルコール消毒液も品薄が続いています。同じマスクを何日間も、場合によっては洗っては干し、使い続けざるを得ない。私はこれまで「一度マスクを外したら、捨てて新しいものに取り換える」「一日中同じものを使い続けない」「マスクの表面は触らず、耳のゴム部分だけを持ってつけ外しをする」などとお伝えしてきましたが、今はやりたくてもできません。
アルコール消毒液もやはり手に入りづらい。たとえあっても、手を洗い、アルコール消毒液で除菌した後に、何かを触れば、ウイルスが手に付着してしまうのです。新型コロナウイルスはプラスチックやステンレスの表面では2、3日生存するという報告もあります。ドアノブや手すり、スマートフォンやパソコンをずっと触らずにいることは不可能。だからこそ、手で顔を触らない。接触感染のリスクを減らすことが重要なのです。
私は長年の習慣で、顔を触らない癖が身についています。目や鼻がかゆいと思ったら、ティッシュを使います。多くの人が顔を触らない習慣を身につければ、感染拡大の勢いも弱まるのではないでしょうか。これは風邪やインフルエンザなどすべての感染症対策にも役立ちます。
https://dot.asahi.com/aera/2020043000066.html?page=1

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