神戸市の理化学研究所にある最新のスーパーコンピューター「富岳」が9日から本格稼働し、新薬の開発や気象災害の予測などさまざまな分野での活用が期待されています。
神戸市中央区の理化学研究所計算科学研究センターに設置されたスパコン「富岳」は、おととし運用を終えた「京」の後継機で、新型コロナウイルス対策の研究に利用するため、整備が完了する前から一部運用されてきました。
本格稼働の時期は当初、新年度を予定していましたが、整備を加速して完了させ、9日、関係者が出席してセレモニーが開かれました。
理化学研究所の松本紘理事長が、「『京』では十分でなかったデータの解析ができる性能の高さと活用範囲の広さを兼ね備えている。国民に愛される『富岳』になりたい」とあいさつしました。
「富岳」は「京」の3分の1以下の電力消費量で、100倍の計算能力を持つということで、去年6月と11月の世界のスパコンのランキングでは、計算速度など4つの部門で世界一となっています。
さっそく9日から研究機関や大学などによる、74のプロジェクトが始まったということで、今後は、新薬の開発やビッグデータを解析した気象災害の予測など、さまざまな分野での活用が期待されています。