2020/03/22【新型コロナウイルス:COVID-19】図表で見る 新型コロナウイルスのパンデミック 広がりと対応
【新型コロナウイルス:COVID-19】図表で見る 新型コロナウイルスのパンデミック 広がりと対応
世界的大流行(パンデミック)を引き起こしている新型コロナウイルスは、160カ国以上に広がり、日本時間22日午後の時点で新型ウイルスによる世界の死者は1万3000人に迫っている(米ジョンズ・ホプキンス大学の集計による)。感染者は30万人を超えた。一方で、9万人以上が回復している。
状況の一部を図や表で説明する。
1.パンデミック発生
昨年末から中国湖北省を発端に広がり続ける新型コロナウイルスについて、世界保健機関(WHO)は今月11日、事態は「パンデミック」だと表明した。
パンデミックとは、世界各地で同時多発的に感染症が人から人へと容易に伝染している状態を言う。
中国では湖北省武漢を中心に8万人以上が感染を確認された。しかし、病原体の正確な発生源はまだ特定されていない。
一方で、ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、中国の外の感染者数は22日現在で22万人を超える。
下の横棒グラフは、中国以外で感染者が最も多い国や場所が時間と共に入れ替わる様子を表示している。
WHOによると、世界全体で確認された感染者数が10万人に達するまでには3カ月かかったものの、次の10万人はわずか12日間で増え、計20万人になった。
こうした統計上の数字はあくまでも検査で確認されたものだ。軽症者の多くは世界中でほとんど検査を受けていないため、統計には含まれていない。このため、実際の感染者ははるかに多いと思われている。
各国政府は感染拡大を抑制しようと対策を講じている。
集団感染が発生した国や地域からの渡航制限に始まり、地域ごとに移動制限や外出禁止令などを出して、市民に不要不急の外出を控えるよう呼びかけ、あるいは命令している。
ドナルド・トランプ米大統領は国家非常事態を宣言し、国民の渡航中止を勧告。アメリカで予定されていたG7主要国首脳会議はテレビ会議に変更され、 欧州サッカー連盟(UEFA)は今年6月に予定されていたユーロ2020を来年まで延期。ほかにも数々の大規模イベントが中止ないしは延期されている。
2.イタリアの死者が中国を上回る
WHOは13日、感染拡大が中国よりも欧州で悪化している状況について、欧州が「震央」になったと述べた。
19日の時点でイタリアの死者数は中国で確認されている3000人超を超えた。
イタリアでは21日だけで過去最多の793人が死亡。確認されているこれまでの死者数は世界最多の4825人に達した。このうち北部ロンバルディア州では3095人の死亡が報告されている。
イタリア経済の中心、ミラノを含むロンバルディア州ではもはや医療機関がパンク寸前で、保健当局は引退した医師や看護師の現場復帰を要請している。
ロンバルディア州では3月8日以来、外出禁止令など行動制限を実施。イタリア政府は北部地域に続き今月10日から国内全域で行動制限を実施しているが、確認される感染者と死者の数は増え続けている。
イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は21日、国内全土で「不可欠ではない」事業の停止を命令した。市民への外出禁止令も当初予定の3月25日を超えて延長された。
英ブリティッシュ・エアウェイズなど複数の航空会社は4月初めまで、イタリアへの往復便をキャンセルしている。
3.他の欧州各地でも感染拡大
イタリア以外の欧州各地でも感染者は急増している。22日現在、スペインとドイツで2万人超、フランスで1万4000人超、スイスで6000人超、イギリスで5000人超の感染が、それぞれ確認されている。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、人口5800万人のドイツで最大7割が感染するおそれがあると警告している。
これについてドイツのウイルス専門家の間では、最悪でも感染者は4万人にとどまるだろうという意見もある。
中国、イタリア、アメリカに続いて感染者の多いスペインは、14日に緊急事態を宣言した。
イギリスで確認された感染者は22日午前現在、5000人を超え、230人以上が死亡した。軽症で自主隔離し、診断されていない人も大勢いる。
イギリスではボリス・ジョンソン首相が16日、手洗いや高齢者の自主隔離を優先していたそれまでの戦略を転換し、一斉休校や外出制限を求めるなど、他人との不要の接触を避ける「社会的距離」戦略の実施を発表した。
さらに20日には、パブやレストラン、カフェ、劇場、ジムなどの休業を指示した。