去年全国で起きた刑法犯罪はおよそ61万4000件と、戦後最少になりました。新型コロナウイルスの感染拡大で外出を自粛する人が増え、ひったくりなどの街頭犯罪が大幅に減ったことが要因とみられています。一方、虐待事件の検挙が過去最多となり、警察などは対策を強化していくことにしています。
警察庁によりますと去年、全国で起きた刑法犯罪は61万4303件で、前の年より13万4000件余り、率にして17.9%減りました。刑法犯罪は2002年の285万件をピークに18年連続で減少し戦後最少となりました。
特に、緊急事態宣言が出された去年4月以降ひったくりや路上強盗などの街頭犯罪が大幅に少なくなり、前の年より27%減少しました。
一方、児童虐待の疑いがあるとして警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもは全国で10万6960人と、統計開始以降初めて10万人を超え、虐待事件の検挙も2131件と過去最多となっています。
専門家からは、外出の自粛などで子どもの異変に気付く機会が少なくなり、虐待が潜在化している可能性があると指摘されていて、警察庁は「関係機関と緊密に連携してさらにきめ細かい対策を進めていきたい」としています。