2020/08/07【新型コロナウイルス:COVID-19】抗体保有者数の推計激減 神戸市内、4万人→2600人 神戸・中央市民病院
神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)の研究チームは7日、外来患者千人の血液から、新型コロナウイルスの感染歴を調べる2度目の抗体検査を行ったところ、0・2%が陽性で同市内の抗体保有は推計約2600人だったと発表した。4月の調査(陽性2・7%、抗体保有推計約4万人)から下がる結果となり、研究チームは前回は感染歴がないのに陽性になる「偽陽性」が多く含まれた可能性が高いとみている。
神戸市が費用を負担して共同研究した。前回から約2カ月後となる5月26日~6月7日、同病院の外来患者千人から採取した血液を使い、感染後しばらくしてできるIgG抗体の有無を調べた。
2種類の検査方法を使用。米国食品医薬品局(FDA)が許可したアボット製の検査キットでは、陽性者が50代と70代の女性2人にとどまった。前回も使ったクラボウ製はこの2人を含めて18人となり、2社の検査法で9倍もの差が出た。
同病院は前回より陽性者が増える仮説を立てていたが、同じ検査法で比べても減った。原因として、母集団の違いによる誤差のほか、抗体の持続期間が比較的短く、1~2カ月で陰性化する可能性も指摘した。
一方、神戸市全体の性別や年齢の分布に合わせた市内の陽性者の推計は約2600人で、調査時点で実際にPCR検査で陽性が判明した285人の9倍に上った。同病院の木原康樹院長は「PCR検査でカウントされる患者数よりは、私たちの周囲にウイルスに関わった人が多いことを示唆する」とした。