2度目の緊急事態宣言が出たことなどで業界団体に加盟する関西の旅館のうち、京都で74%、大阪で64%が休館しているか、その予定であることが分かりました。
新型コロナが宿泊業に及ぼす影響の大きさが浮き彫りになっています。
これは、全国の宿泊業者でつくる、「日本旅館協会」がアンケート調査したものです。
加盟するおよそ2400軒に今月半ばから20日までの期間で営業状況について尋ね、4割ほどにあたる888軒から回答がありました。
それによりますと、「休館している、あるいは休館予定」だと答えたのは、関西地方では78軒で60%となり、全国の55%を上回る高い水準となっています。
自治体別にみますと、京都は74%、大阪と和歌山では64%が「休館している、あるいは休館予定」だと答えています。
また、滋賀が55%、奈良が50%、兵庫は46%となっています。
新型コロナの感染拡大でGo Toトラベルが全国で停止となったり、2度目の緊急事態宣言が出たりしたことが要因だとしています。
日本旅館協会は、「対策を講じないと産業がもたないところまできている。食材の仕入れがストップし、地域のほかの産業にも影響が出るおそれがある」と話しています。
【休業を決めた旅館は】。
今月14日に、大阪などを対象に緊急事態宣言が出たことで、休館を決めた大阪・池田市にある温泉旅館です。
大阪市内から車で30分というアクセスの良さと、露天風呂が人気のこの旅館は、例年は年間およそ6万5000人が訪れていました。
しかし、感染がふたたび拡大し始めた去年11月下旬からキャンセルが相次ぎ、この2か月近くのキャンセルはおよそ1000件にのぼっています。
今月の売り上げは、前の年の同じ月と比べて、すでに60%減少しているということです。
売り上げの大幅な減少に加えて、営業を続けた場合、宿泊客だけでなく、社員にも感染が広がる懸念があることから、今月18日から宣言が終了する来月7日まで休館することを決めました。
温泉旅館「不死王閣」の岡本厚社長は、「いままでの経験上としては阪神・淡路大震災のときもかなりキャンセルはあったが、ここまでのキャンセルが出たのは私自身経験がない」と話していました。