2021/01/06【新型コロナウイルス:COVID-19】WHO 新型コロナ発生源の調査で中国に入国できず 失望を表明
WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、新型コロナウイルスの発生源などを調べるため中国を訪れる予定の国際的な調査チームの専門家が入国を認められなかったことを明らかにし、失望を表明しました。
WHOは、新型コロナウイルスの発生源や感染拡大の初期に何が起きたのかを調べる国際的な専門家の調査チームを今週、中国に派遣するための調整を進めてきました。
ところが5日の定例記者会見でテドロス事務局長は、調査チームの専門家2人が中国に向かったものの、中国の当局が入国に必要な手続きを終えておらず、入国できなかったと明らかにしました。
テドロス事務局長は「非常に失望した。2人はすでに中国に向かっていたし、ほかの専門家も最後の最後で渡航できなかった」と述べ、チームが速やかに入国し、調査を始められるよう中国側に強く要請したことを明らかにしました。
危機対応を統括するライアン氏によりますと、専門家のうち1人は引き返し、もう1人は第三国で待機しているということです。
調査チームを率いるWHOの専門家、ベンエンバレク氏は先月、NHKのインタビューで、新型ウイルスは2013年に雲南省で見つかったウイルスに酷似していることから、論理的には中国で発生したと考えるのが妥当だという考えを示しています。
発生源の解明は国際的な関心事となっていますが、調査チームの入国をめぐって出だしから混乱が生じています。
官房長官「現地調査の早期実現を」
加藤官房長官は、記者会見で「日本としても、国際調査団による現地の科学的調査が早期に実現し、科学的な知見が得られることを強く期待したい」と述べました。