昨シーズン、最も多く使われたインフルエンザの新しい治療薬「ゾフルーザ」を服用した患者から、この薬が効きにくい耐性ウイルスが出ていることを受け、日本感染症学会は12歳未満の子どもについては投与を慎重にするなどとした提言を新たにまとめました。
インフルエンザの新しい治療薬「ゾフルーザ」は、耐性ウイルスが出やすいことが課題となっており、日本感染症学会は使用の在り方について議論してきました。
学会が新たにまとめた提言によりますと、ゾフルーザについて、12歳未満の子どもは耐性ウイルスが大人より多く検出される傾向にあるため「慎重に投与を検討する」としたほか、12歳以上については「データが乏しく、現時点では推奨するかどうかは決められない」としています。
塩野義製薬が開発したゾフルーザは、1回の服用で効果が得られるとして、去年、販売が始まると、最も多く使われるようになり、半年間だけでおよそ600万人分が出荷されました。
ゾフルーザについて、学会は、広く使われてきた「タミフル」とは異なる効果があり、タミフルが効かない場合や、重症化が懸念される患者に使えるため、慎重に使用することで耐性ウイルスを広げないことが重要だとしています。
新たな提言は、学会のウェブサイトに近く掲載されるということで、学会の関係者は「ゾフルーザが緊急時にも使えるよう使い方を考えるきっかけにしてほしい」としています。
https://www3.nhk.or.jp/n…/html/20191017/k10012135391000.html