【梅毒】梅毒急増は中国の訪日客増加が関係?
東京・西新宿の性感染症専門治療「プライベートケアクリニック東京」名誉院長の尾上泰彦医師はこう話す。
「梅毒の名前の由来をご存じでしょうか。症状に赤い丘疹(きゅうしん)という皮膚病変があり、一説にそれが楊梅(ようばい)の実に似ており、楊梅瘡(ようばいそう)と呼ばれました。その後、楊の字が取れて梅瘡に、そしてバイ菌を表す黴(かび)と毒が合わさって黴毒(ばいどく)、梅毒へと変化したといわれています」。
「楊梅」は、中国でヤマモモのこと。実は梅毒の急増の背景に、中国観光客の増加が関係しているのではないかという指摘がある。中国内で梅毒が流行しているからだ。尾上医師が続ける。
「中国における梅毒患者は、日本をはるかに上回って増えています。中国国家衛生・計画出産委員会のホームページでは台湾、香港、マカオを除いた患者数が43万3974人、死亡者は58人です(2015年)。
中国の総人口は日本の約11倍ですが、梅毒患者は160倍。その流行には驚かされます。
こうしたことから、中国からの訪日客の影響で日本の若い女性に梅毒患者が増えた。そして日本での感染が増えたという可能性が十分あるわけです」
患者がケタはずれに多い中国。一方、観光産業の柱に、訪日外国人旅行者を位置付けた日本。昨年の訪日観光客は、約2400万人を突破した。トップ5は、中国637万人、韓国509万人、台湾417万人、香港184万人、米国124万人である。
なお2010年から16年の伸び率では、全体の伸び率(2・79倍)を上回るのは中国(4・51倍)、タイ(4・2倍)、香港(3・61倍)、台湾(3・28倍)など東南アジアが大半。米国は1・7倍にとどまる(日本政府観光局調べ)。
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