【淋病】淋病の検査の流れと検査方法
淋病は、女性では自覚症状がないことも多く、知らずに放置すると不妊や子宮外妊娠の危険だけではなく、生まれてくる赤ちゃんに感染することもあります。男性の場合、精巣にまで感染が進行すると、淋病が治ったあとに精子が作れなくなる無精子症を発症することもあります。早めの判断が必要とされる淋病の、検査方法などについて解説していきます。
淋病の検査はパートナーと一緒に
淋病は男性では、痛みや分泌液がでる尿道炎の症状が代表となっており、自覚しやすい病気です。一方、女性の場合では、症状を自覚するようなことが起きないこともあり、気づきにくいです。そのため、知らず知らずのうちに、男性のパートナーに感染し、それにより、自分が発症したことに気づくこともあります。そのため、もしパートナーが淋病に感染したと思われる場合には、一緒に検査を受けます。早期に治療を行わないと、男女ともに卵巣や精巣に感染が広がった結果、子供が作れない身体になることもあります。
検査をスムーズに行うために
膿のような分泌液がでている場合は、除去せずに診てもらいましょう。また、性行為をした日時、気になる症状が現れた日など、できるだけ思い出してメモにしておくことで、医師にできるだけ正確な情報を提供できます。精密検査の場合は、原因となっていそうな行為をした日の翌日から検査が可能とされています。ただし、女性の場合は、生理中にはできない検査もあり、生理後の検査が望ましいでしょう。
検査する科について
性病科の専門がある病院ならば、専門科がよいですが、そういった科がない場合もあります。一般的には、女性は産婦人科、男性は泌尿器科がおすすめです。女性の場合、男性にみられるのが恥ずかしいという方のために、女性専門の科がよいでしょう。また、淋病の検査目的ではなく、妊娠時や不妊治療の際に淋病が見つかるというケースもあります。中には、若い女性のための思春期外来があり、10代や20代でも受診しやすい病院がインターネットでも調べられます。
尿検査とのど、膣の検査から淋病を判定
身体の中で検査するための淋菌を採取できる場所としては、主に尿、膣、のどの粘膜からとる方法があります。また、それぞれの場所から採取した検体は培養法、検鏡法、核酸増幅法などの方法で精密な検査を行い、淋病の原因となっている淋菌がいるかを調べていきます。
検体の採取は男女によって異なる場合も
尿(男性)
男性の場合は尿を採取して淋病の検査を行うことが一般的ですが、すぐに検査結果を知りたい(即日検査)場合は綿棒で尿道からでている膿を採取します。膿が少ない場合には、尿道をこすることで、膿を採取しやすくします。採取したあとは、培養法、検鏡法、核酸増幅法で検査が可能です。
膣(女性)
女性の場合は膣内から分泌液を採取して検査を行います。検査としては培養法または、核酸増幅法で行います。
のどの検査(男女共通)
淋病は性病なので、菌は性器にいると思われる方も多いかもしれませんが、実は口からのどの粘膜に菌が住みついていることもあります。男性の場合は、尿道炎を発症した約半数の人が、パートナーの女性ののどから感染したとの報告もあります。そのため、尿や膣と合わせて、のどの検査を行うことも望ましいとされています。のどの検査では、綿棒のようなもので、のどの粘膜をぬぐう方法と、うがいをした液から採取する方法があります。うがい液を使った検査の方が、簡単かつ患者への負担が軽いため、最近では主流になっています。
採取後の検査方法
検鏡法
もっとも早いとされており、特に、男性の尿道炎に関しては核酸増幅法と同じくらいの正確な結果を期待できるため、検査結果の早さと比べれば、この方法がよいといえます。ただし、女性の場合では、検鏡法での淋菌の確認は難しいとされています。
培養法
採取した淋菌を繁殖、培養させて顕微鏡で調べる方法です。この方法は時間と手間がかかるデメリットが大きいとされています。その理由は意外にも淋菌は生命力が弱く、デリケートな菌であるということにあります。じつは、淋菌は、一定の二酸化炭素、温度を保つ空間ではないと、すぐに死滅してしまうのです。そのため、まずは採取した検体をすぐに淋菌が生きられる空間にもっていき、そこから慎重に培養する必要があります。
このように手間と時間がかかる培養法ですが、もちろんメリットもあります。淋菌は治療薬に対して耐性をつけていくという特徴があるので、有効な治療薬を投与するためには、培養法が最適とされています。また、のどの検査では、他の検査の場合、口腔内にある別の菌と淋菌を区別できないこともあるので、そのときに、培養法が用いられることもあります。
核酸増幅法
核酸増幅法では、PCR法とSDA法という方法が一般的で、淋菌だけではなく、クラミジアの感染も同時に検査が可能です。PCR法では検体の遺伝子(DNA)の一部のコピーをくりかえして検出していくため、淋菌が少ししか採取できなかった場合でも、検出しやすいとされています。ただし、検出するには検査者の技量にもかかっているため、検査結果が判定できないということもあります。その場合には、再検査を行うことになります。
また、のどの検査においては淋菌と、健康な人ののどの粘膜にも住んでいるナイセリア属というものの遺伝子との判断が難しいです。そこで近年、SDA法というPCR法とほぼ同じ検査方法が登場しました。SDA法では、のどの淋菌も識別が可能となりましたが、まだ、健康保険がほぼ適用外となっています。
https://woman.infoseek.co.jp/ne…/bodycare/skincareuniv_38238