蚊取り線香の材料に使われる除虫菊のゲノム(全遺伝情報)を大日本除虫菊(大阪市)とサントリー生命科学財団の研究チームが初めて解読した。蚊が媒介する感染症の対策強化に役立ちそうだ。英科学誌に論文が掲載された。
約71億塩基対のゲノム配列を解読した。遺伝子は約6万個とみられ、その機能を解明すれば、殺虫成分の天然ピレトリン類を高濃度で含む新品種などの開発が期待できるという。
殺虫剤は、除虫菊の成分を基に作られた合成品が広く使われているが、近年は抵抗力を獲得して効かない蚊が現れ、デング熱やマラリアなどのリスクが、世界的に高まっている。ゲノム解読によって、抵抗力を獲得されにくい天然成分の研究が進む可能性もあるという。
同社の山城敬範研究員は「除虫菊の性質をさらに詳しく調べ、感染症対策に貢献したい」と話す。
https://www.iza.ne.jp/…/ne…/191217/lif19121711160009-n1.html