2017/05/02【細菌性胃腸炎】細菌性胃腸炎
【細菌性胃腸炎】細菌性胃腸炎
細菌性胃腸炎とは、細菌に感染することで胃腸に炎症が起こる病気です。子どもは免疫力が弱いため、外食などで大人と同じ食事を摂ると細菌性胃腸炎を起こす場合があります。今回は、子どもが発症しやすい細菌性胃腸炎の症状と治療法について解説します。
細菌性胃腸炎とは 感染源となる細菌は、発症のメカニズムに応じて次のように分類されます。
(1)感染型
食品中に混入して増殖した細菌が、腸管内で更に増殖することにより胃腸炎を引き起こします。サルモネラや腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、カンピロバクターなどが該当します。
(2)毒素型
食品内で細菌が増殖して毒素を作り出します。その毒素で汚染された食品を摂取すると、胃腸炎を起こします。ボツリヌス菌や黄色ブドウ球菌、セレウス菌嘔吐型などが該当します。
(3)中間型
食品と共に細菌が体内へと取り込まれます。体内へ取り込まれた細菌が腸管内で増殖し、毒素を作り出すことで胃腸炎を起こします。腸管出血性大腸菌や毒素原性大腸菌、セレウス菌腸炎型、ウェルシュ菌、エルシニアなどが該当します。
手洗いをせずに作られた食品や、十分に加熱されていない肉類などを摂取することで感染します。子どもは免疫力が低いため、外食など大人と同じ食事をする際は食事方法に気をつけましょう。
細菌性胃腸炎の症状 吐き気や嘔吐、発熱、腹痛や下痢、全身倦怠感などの症状が現れます。軟便から水様便が頻回に排泄されます。これらにより水分が失われ、嘔吐と重なることで脱水症状になる恐れがあります。脱水症状で子どもがぐったりしている場合は、すぐに病院を受診しましょう。
また、病原性大腸菌に感染すると、赤血球が破壊され黄疸や血尿、関節痛、出血斑、肝機能障害、意識障害などの症状(溶血性尿毒症症候群)が現れることがあります。
細菌性胃腸炎の治療 便には多数の細菌が含まれており、下痢を繰り返すことで自然に細菌を排除することができます。しかし、乳幼児の場合は発熱などの全身症状が強く現れたり、血液内に細菌が侵入して重篤な症状を引き起こす敗血症に感染する可能性があるため、抗生剤を使用することがあります。軽症の場合には抗生剤の治療は必要なく水分補給などの対症療法で治癒が期待されます。重症の場合には、抗生剤を使用することがあります。