【結核】結核感染、昨年1.7万人=まん延国からの患者増-厚労省
2016年に結核感染が判明した患者は前年比655人減の1万7625人で、死者は67人減の1889人だったことが30日、厚生労働省の集計で分かった。
いずれも過去最少だが、結核の「高まん延国」からの患者が増加傾向にあり、厚労省はビザの発給要件に結核の検査を課すなどの対策を検討しており、関係省庁と協議を始めた。
新たな結核患者は80代が最多の3割で、全体の3分の2を65歳以上が占めた。
発病から診断まで3カ月以上かかった人は2割に上った。
外国生まれの患者は3年連続増の1338人で、40カ国以上に及ぶ。特に高まん延国のフィリピンが最も多く、日本語学校や技能実習先での集団感染が相次いでいる。
人口10万人当たりの罹患(りかん)率は13.9人。日本は「中まん延国」に当たり、政府は2020年までに「10人以下」の低まん延国化を目標としている。
都道府県別では、大阪が22.0人と突出し、東京17.2人、愛知16.9人、岐阜16.3人、徳島16.0人の順に高い。一方、最低は山形の7.2人で、長野と宮城の7.9人、秋田8.5人が続き、「西高東低」の傾向にある。