船橋市は25日、同市立医療センターにがん治療のため昨年入院し結核を併発し死亡していた70代男性=同市=から、別の入院患者や同センターの女性職員ら計6人が集団感染していたと発表した。院内感染とみられる。市は男性について「死因はがんで、結核の併発とは関係ない」としている。
同市保健所などによると、男性は昨年9月13日、同センターにがん治療のため入院。末期で、同24日に死亡した。今年10月に男性の家族で60代妻と40代息子が結核と診断され、男性も亡くなる前にせきの症状があったことを確認。11月になって男性の結核発生届が提出された。
また、いずれも結核を発病していた入院患者の60代男性と5歳未満の男児が、男性と同じ病棟だったことが判明。結核菌の遺伝子型が一致し、同センターの20代女性職員2人も発症していた。市は男性を発端とする集団感染と判断し、厚生労働省に報告した。
同センターでの結核集団感染は1983年の開設以来初めて。男性と接触した可能性のある30人に、感染調査・治療を行っている。