2017/09/07【腸管出血性大腸菌:O157】O157食中毒 総菜店が全店営業再開 /埼玉県、群馬県
【腸管出血性大腸菌:O157】O157食中毒 総菜店が全店営業再開 /埼玉県、群馬県
埼玉県と群馬県にある同じ系列の総菜店で販売されたポテトサラダなどを食べた人から相次いでO157が検出された問題で、総菜店の運営会社は、問題の発覚後、休業を続けていた関東地方の17店舗すべてで衛生管理を強化したとして、7日再開しました。
先月、埼玉県と群馬県にある総菜店「でりしゃす」の4つの店舗で加工販売されたポテトサラダやコールスローサラダなどを食べた23人が腹痛などを訴え、このうち20人から腸管出血性大腸菌 O157が検出されました。
埼玉県熊谷市の籠原店と前橋市の六供店が営業停止の処分となり、総菜店の運営会社は、関東地方の17店舗すべてで先月24日から休業していましたが、衛生管理を強化したとして、7日全店で再開しました。このうち前橋市の六供店では、午前10時、2週間ぶりに再開し、買い物客が訪れていました。
運営会社によりますと、すべての店でサラダを調理する専用のスペースを設け、利用客が自分でサラダを取り分ける方法からパックに詰めた状態で販売する方法に変更するなど細菌の混入を防ぐ衛生面の対策を強化したということです。
総菜店の運営会社「フレッシュコーポレーション」は「皆様には多大な苦痛とご迷惑をおかけし心より深くおわびします。食材の供給元にもさかのぼって衛生管理の確認を厳格に行い、原因究明に努めます」としています。
運営会社「深くおわび」
群馬県太田市にある総菜店の運営会社「フレッシュコーポレーション」の竹下徹郎社長は「O157に感染、発症した皆様とご家族には、多大な苦痛とご迷惑をおかけし心より深くおわび申し上げます。会社での安全対策の強化はもちろん、これまで以上に食材の供給元にもさかのぼって衛生管理の確認を厳格に行い、引き続き原因究明に努めてまいります」とコメントしています。
混入経路は依然不明
この問題で、国立感染症研究所が感染者から検出された細菌を検査した結果、同じ遺伝子の型が検出されたということです。しかし、これまでの保健所の検査では、細菌の混入経路は特定されていません。
ポテトサラダを製造した高崎市の食品工場に残っていたポテトサラダのすべてのサンプルや、調理器具、それに従業員の便からO157は検出されず、工場の製造過程での混入の疑いは確認できませんでした。
一方、前橋市の店舗では、コールスローサラダやマリネなどを食べた人からもO157が検出されましたが、店内の調理器具や従業員の便からは検出されませんでした。
厚生労働省によりますと、同じ遺伝子の型の菌は関東地方を中心に全国で検出されていて、保健所を通じて感染者から発症した時期の食事や行動をさらに詳しく聞いて、引き続き感染源などを調べています。
店を訪れた人「衛生管理が改善され安心」
再開された前橋市の六供店を訪れた女性は、毎日、店を利用していたということで「サラダやマリネなどを購入しました。個別にパック詰めになっているので、衛生的には以前よりも安心だと思います」と話していました。
また、近所の女性は「総菜を取るのに使ったトングは1回使ったら箱に入れ、使い回さないように改善されていました。再開を待ち望んでいたので、これからも利用したいです」と話していました。
別の男性は「今回の問題で衛生管理が改善され、よかったと思います。安心して利用できます」と話していました。
最初に検出された店舗も営業再開
最初にO157が検出され、先月21日から3日間の営業停止処分を受けた埼玉県熊谷市の総菜店「でりしゃす」籠原店も、7日午前10時に営業を再開しました。
この総菜店をよく利用しているという女性は「忙しい共働きの家庭にとって総菜は便利な食事なので、衛生面をしっかり管理してほしい」と話していました。
また、近所に住む60代の女性は「原因が特定されていないので利用するにはまだ不安は残ります。早く原因を明らかにして、しっかり対応してもらいたい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/ne…/html/20170907/k10011129981000.html